秋の万葉集と兵隊さんの思い
2009.10.11 Sunday 01:26
くっくり
備考:「懸(か)く」にはいろいろな意味がありますが、ここでは、「口に出して言う」ことです。この歌を詠んだ人には、紅葉に対してのなにか特別な思い出があったのでしょうか・・・
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秋山に落つる黄葉しましくはな散り乱ひそ妹があたり見む
(第2巻・137)
作者:柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)
よみ:秋山に落つる黄葉(もみちば)、しましくは、な散り乱ひそ、妹があたり見む
意味:秋山に落ちる紅葉よ、しばらくは散らないで。妻が居る方をもう少し見ていたいから。
備考:この歌は、柿本人麻呂が石見の国から奥さんと別れて都に旅立ったときの歌(反歌)の一つです。
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天雲のたゆたひ来れば九月の黄葉の山もうつろひにけり
(第15巻・3716)
作者:遣新羅使(けんしらぎし)
よみ:天雲(あまくも)の、たゆたひ来れば、九月(ながつき)の、黄葉(もみち)の山も、うつろひにけり
意味:天雲のようにゆらゆらと揺られてやってきたら、九月の黄葉の山も色あせてしまいました。
備考:天平8年(西暦736年)に新羅(しらぎ)に遣わされた人たちが詠んだ歌のひとつです。都を出てから瀬戸内を通り、対馬経由で朝鮮半島に渡る経路だったようですね。
「天雲の」は「たゆたふ」を導く枕詞(まくらことば)です。
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秋風の吹きにし日よりいつしかと我が待ち恋ひし君ぞ来ませる
(第8巻・1523)
作者:山上憶良(やまのうえのおくら)
よみ:秋風(あきかぜ)の、吹(ふ)きにし日より、いつしかと、我(あ)が待(ま)ち恋(こ)ひし、君(きみ)ぞ来(き)ませる
意味:秋風が吹いた日から、いつかいつかと、私が待ち恋していたあなたがやってこられました。
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