秋の万葉集と兵隊さんの思い
2009.10.11 Sunday 01:26
くっくり
備考:「村雨」は、ひとしきり強く降ってやむ雨、にわか雨、のことです。
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高円の尾花吹き越す秋風に紐解き開けな直ならずとも
(第20巻・4295)
作者:大伴池主(おおとものいけぬし)
よみ:高円(たかまと)の、尾花(をばな)吹き越す、秋風に、紐(ひも)解き開けな、直(ただ)ならずとも
意味:高円の尾花をなびかせて吹く秋風に、衣の紐を解いてくつろぎましょう。特に何をする、というわけではないですけど...
備考:天平勝宝5年8月12日に官人たちがお酒を持ちよって高円山(たかまとやま: 奈良市の山)に登りました。そこに参加していた大伴池主が詠んだ歌です。
「紐を解く」のはどうも男女間の契りをイメージするようで、"男同士でどうするってことじゃなくて、ただ、くつろぎましょう"ってことを「直ならずとも」と詠んでいるようですね。 (;^ ^A
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君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く
(第4巻・448)
作者:額田王(ぬかたのおおきみ)
よみ:君待つと我(あ)が恋ひをれば、我が宿の、簾(すだれ)動かし、秋の風吹く
意味:あなた様を恋しく待っていますと、家の簾を動かして秋の風が吹いてきます。
備考:天智天皇を思って詠んだ歌です。
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秋山をゆめ人懸くな忘れにしその黄葉の思ほゆらくに
(第10巻・2184)
作者:不明
よみ:秋山を、ゆめ人懸(か)くな、忘れにし、その黄葉(もみちば)の、思ほゆらくに
意味:秋山のことは決して口に出して言わないで。忘れていたあの黄葉のことを思い起こしてしまうから・・・
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