2009.04.21 Tuesday 00:05
くっくり
憤然としながら私はまずは根室湾中部漁業協同組合、通称湾中に向かった。
ロシアで裁判を受け、いわれるままに罰金をはらって釈放された坂下登船長は湾中の組合長で、釈放後ただちに腰の持病の手術のために釧路の病院に入院中だったから、専務理事の神内克彦氏が質問に応じてくれた。そもそも漁協は組織とはいうものの、それぞれが号令によって一丸となって動くようなシステムにはなっていない。組合員一人一人が一国一城の船主だから、今回の事件に当たっても死亡した漁師への弔慰金はもとより、ロシアへの二百十四万円の罰金も、すべて船長の自己負担だという。
それはおかしい、と私は口走った。もともと政府が「我が国固有の領土」と繰り返し公言してきたにもかかわらず、領土内でおきた殺人事件に国家として手も足も出せず、釈放を前提にした罰金も、すべて個人負担というのは理不尽ではないか。日本政府に“甲斐性がない”ために、国民は自国の領土内で殺されたという点を、私は声をからして叫びたい。国後島での裁判は弁護士も通訳もロシア人であった。悪名高き「東京裁判」でさえ日本人弁護士が法廷で被告を守ったというのに。たしかに、自主的に紛争を避けるべく北海道庁が危険の可能性を示して海上に調整規則ラインをきめ、漁師も原則的にこれを守りながら安全操業につとめてきたのはまちがいない。しかし、海の上の不安定なラインを、たまたまわずか数百メートルはずしたからといって撃つことはないじゃないか。
(中略)いつ起きても無理ないとされていた恐るべき問題が、ついに起きて死者を生んだのである。ロシア側は死んだ日本人漁師に謝罪して弔慰金を支払い、船長も船も即刻日本に返すべきだと誰もが当然思うだろう。だが、ロシア政府は「全責任はロシアの領海で犯罪行為を犯した漁船と、日本人漁民の密漁を放置していた日本政府にある」と言い返している。昔なら戦争に突入していただろう。
問題のポイントは中間ラインを越えたとか越えないという点ではない。まして密漁などという表現はもってのほかというべきで、すべてはスターリンの無法にはじまっている。問題は民主ロシアがいまだにスターリンの暴挙を“実績”とみるのか、それとも暴挙を否定して先進国の名に恥じない態度をとるかどうか、にかかっている。
(中略)占領を機に与えられて、こんにちまで掲げてきた日本国憲法や教育基本法が間もなく本格的に作り変えられるのは結構なことだ。
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