2006.06.01 Thursday 20:10
くっくり
この背景には、全国でも突出している東京都教委の国旗掲揚と国歌斉唱への徹底ぶりがある。こうした動きに疑問を持った元教師は「都教委が度を越していることを知ってほしかっただけだ」と話していた。
判決は元教師の言動について「威力にあたり、相当な手段とはいえない。現実に業務妨害の結果を生じた」と判断した。そのうえで、卒業式の妨害を直接の目的としておらず、妨害は短時間で、式はほぼ支障なく実施されたことを考え、罰金20万円という刑を選んだ。
検察の求刑は懲役8カ月だった。その落差は大きい。裁判所もさすがに検察の求刑は度外れていると考えたのだろう。
元教師は「『大声で騒いだ』などということはない」として控訴した。
元教師の行為は批判されてしかるべきだ。式の前とはいえ、式場で保護者に呼びかければ、混乱が起きるのは目に見えている。保護者が式場に入る前に声をかけるといった方法をとれなかったのか。
しかし、だからといって、暴力を振るったわけではなく、起訴して刑事罰を科さなければならないほどの悪質な行為だったとは思えない。まして、懲役刑を求めた検察の見識を疑う。
この問題は、卒業式に出席していた地元の都議が都議会で取り上げたのがきっかけだ。都教委が法的措置をとることを表明し、高校が警察に被害届を出した。これを受けて警察が元教師宅を捜索し、東京地検公安部が在宅で起訴した。
外からやって来て卒業式を妨害する者はただちに警察に突き出すしかない。それが都教委や高校の論理だろう。
しかし、教育のプロである教育委員会や高校が、学校で起こった問題をすぐに捜査機関に委ねようというのは安易ではないか。そうした教える側の態度は、生徒の目にはどう映るだろう。
元教師のような行為を二度と許さないというのなら、相手とじっくり話し合って解決の道を探ることもできるはずだ。
本来、教育にかかわる問題が刑事裁判の法廷に持ち込まれることは望ましいことではない。今回の判決で、その思いを新たにした。
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