外国人から見た日本と日本人(10)

2009.04.04 Saturday 00:52
くっくり


加藤恭子編「私は日本のここが好き!—外国人54人が語る」より

 日本のどこが好きなのかと聞かれれば、あまりにも多すぎるし自分自身を分析するようで答えにくいのですが、第一に人間です。朗らかで、親切で、にこにこした顔が多い。満員電車の中でさえも、穏やかな顔をしているように私には見えます。他の国ではもっとけわしい、しかめ面が多いですよ。ロンドンのバスの中で男の人の靴を踏んでしまったことがあるのですが、「I'm so sorry.」とちゃんと謝ったのに、その人は「貴女はちっともソーリーじゃない」と怒っていました。日本化された私は、にこやかに謝ってしまったんですね。

 お店に入れば店員は愛想よく対応してくれるし、世界中のタクシー運転手の中で、日本の運転手は一番じゃないかしら。親切で正直で落ち着いていて、チップの計算もする必要がないのですから。

 ある種の落ち着きは英国人にもあります。ヨーロッパ大陸から英国に戻るとホッとします。何年か前、香港から日本に戻ったら(ああ英国に戻った)と感じました。日本は“東洋の英国”なのです。人の表情が穏やかなのは、自分自身や社会に満足しているのと、他人に迷惑をかけてはいけないと我慢している面もあるのでしょうね。

 先日も鎌倉で「感謝して今日もにこにこ働きましょう」という看板を小さなお寺の石垣に見つけました。これこそ日本だわ!と、とても感激しました。

 昭和二十四年、敗戦後まもない日本へ帰ってきて、びっくりしたことがあります。英国ではみんな爆撃の恐ろしさや生活の苦しみなど戦争の話ばかりしていたのに、日本人は前向きで、自分の生活や日本をどう立て直すかという未来に目を向けていたのです。これは日本人の“しょうがないメンタリティ”とでも言うべきでしょうか。過去のことは忘れて復興にただただ一所懸命なんですね。この態度がいかに珍しいか、日本人は気づいていないでしょう。台風や地震など、自然災害の多い風土の中で鍛え抜かれた結果だろうと思います。

 それから外国人が「日本人はユーモアがない」と言うのを聞くと、私は腹が立つのです。彼らはユーモアが理解できるほど日本語がわからないんですよ。それに誰にでも冗談を言う欧米と違って、日本人はまじめだから、知らない人に冗談は言いません。でも、日本語は落語のような話芸もあるし、洒落に適した洗練された言語です。

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