戦後の昭和天皇を振り返る

2009.02.10 Tuesday 00:26
くっくり



●御訪米時にお迎えしたのが、ジェラルド・フォード大統領だった。両陛下がお泊まりだったホワイトハウスの向い側にある迎賓館「ブレアハウス」にフォード大統領が訪ねて、予定時間よりも長く歓談された。両陛下は翌日にアメリカの国民的スポーツであるアメリカン・フットボールをご覧になる予定だった。そこで、フットボール談議となった。
 フォード大統領が「スポーツのゲームを(大統領として)観覧しますときには、どちらかのチームを応援することができないので困ります」と申し上げた。
 すると、天皇が相づちを打たれて、「とくに明日、あなたが出場されていたら、困りますね」とすかさず答えられた。
 天皇はフォード大統領が学生時代にアメリカン・フットボールの名選手としてならしていたことを、知っておられたのだった。

 この話は私が直接フォード大統領から聞いたものである。フォード大統領は昭和49年に国賓として訪日したときにはじめて天皇と会ったが、天皇の真摯(しんし)なお人柄にすっかり魅せられていた。
 昭和天皇のお人柄によって、深く魅了された外国の元首や政治家は多かった。

●昭和天皇の即位式である即位大礼が行なわれたのは、大正天皇の諒闇(りょうあん。天子が父母の喪に服する期間)が明けた昭和3年11月だった。天皇は27歳。
 翌月の15日、東京の皇居前広場で、東京、千葉、埼玉、山梨、神奈川の諸団体から、青年男女約8万人が参加する大礼奉祝の式典が行なわれ、天皇が御親閲されることになった。天皇は大会の開催に同意されるとともに、天候を心配された。

 「もしも当日、雨が降ることがあったら、青年たちに雨具を着用させるようにしてほしい。また、いかような大雨になっても、わたしが立つ場所に天幕を張ってはならない」
 とお命じになった。当日は早朝から大雨であった。そこで、御座所の位置の上に天幕が張られた。宮内大臣をはじめ側近たちは天皇のご健康を思いやってのことだったが、天皇は「天幕を取りに除いてほしい。司令官も時と場合によっては第一線にたつことがある。今日はわたしのいうことに従ってほしい」と要望された。

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