2006.05.30 Tuesday 19:21
くっくり
経産省によると、中国の薄煕来商務相が今年二月、北京で二階俊博経産相と会談した際に要求を伝えた。今月二十七日に京都迎賓館で行われた会談でも、薄商務相は「ぜひユーザーリストから削除してほしい」と再び強く要請。このときは、両国の担当部局が意見交換を継続することで合意した。
外国ユーザーリストは貿易管理の新制度「キャッチオール規制」とともに、平成十四年に導入された。対共産圏輸出調整委員会(ココム)規制など従来の輸出管理制度は軍事転用の懸念される品目を規制してきたが、キャッチオール規制では懸念される企業をリストに挙げ、輸出する際には経産省の審査を受けることになっている。
これまでも、イスラエルなどが日本の関係当局に自国企業の削除を求めてきた経緯はあるが、貿易管理の専門家は「閣僚同士の会談で正式議題に持ち込まれたのは初めてではないか」と指摘。そのうえで、「中国に核関連技術が渡ればパキスタンや北朝鮮に流出する可能性が極めて高い」と警告する。
ただ、日本のリストは米国務省や商務省が作成したリストの情報が反映されたもので、同様のリストを持つイギリス、カナダ、ドイツなどとともに事実上、民主主義先進国による包囲網として機能している。
二度にわたる中国の要求に対し、経産省幹部は「交渉事項にはあたらない」として受け入れない構えだが、貿易管理にあたっては協力関係も欠かせないことから対話は続けていくとしている。
中国への輸出をめぐっては今年一月、ヤマハ発動機が大量破壊兵器に転用できる無人ヘリを中国企業などへ不正輸出したとして、経産省が同社を刑事告発している。
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■はっきりと断るべきだ
安全保障に詳しい志方俊之・帝京大教授の話「中国の核技術は昔のソ連のコピーに過ぎないが、最近はロシアとの関係が良好でないこともあり、日本の技術が欲しくなってきたのではないか。中国にしてみれば『すでに核兵器を保有しているのだから、北朝鮮などと同列に核不拡散の対象として扱われたくない』という理屈があるのだろう。ただ、中国から他の国へ核技術が流出する恐れが高く、日本は対中輸出を規制する同盟国の枠組みから抜けるわけにはいかない。無理な要求は軽く聞き流し、できないことはできないとはっきり断るべきだ」
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