外国人から見た日本と日本人(9)

2009.01.31 Saturday 00:31
くっくり


■ヘレン・ミアーズ=アメリカ人。東洋学者。1920年代から日米が開戦する直前まで2度にわたって中国と日本を訪れる。1946年(昭和21年)に連合国占領軍最高司令部の諮問機関のメンバーとして来日、戦後日本の労働基本法の策定に携わった。
「アメリカの鏡・日本」(昭和23年出版。出版当時、マッカーサーにより邦訳出版が禁止された)より

 国務省極東局のスタンレー・ホーンベックが極東史に関するアメリカの公式見解を講義したことがある。講義内容はのちに『われわれはなぜ、何のために戦っているのか』と題する小冊子にまとめられ政府から刊行されたが、この中で彼は日本人を「世界でも最も悪名高い、残虐な侵略者」と呼び、日本は「遠く1578年の昔から」世界支配を目指していたというのだ。

 陸軍はパールハーバーに関する公式報告で、日本は「千年余に及ぶ内戦の歴史を基盤に、世界征服という唯一の目的で統合された」国家であると非難した。

 ニューヨーク・タイムズのオットー・D・トリシャス特派員は、V・Jデー(引用者注:対日戦勝記念日)について書いた「東京レコード」でさらに歴史をさかのぼる。彼は、世界征服を目指す日本の戦いは「天から送られた神々による日本列島の征服神話」から始まったというのだ。日本の征服史に「伝説上の天皇による伝説上の朝鮮征服」まで含めるこの記事は「2600年の歴史上初の敗北を記念する降伏儀式」という全段通し、2行の大見出しで飾られた。

 平和な時に、こんなことを書いたら、自ら論理の墓穴を掘るだけだ。「2600年の間」「世界征服」を目指してきた「世界で最も残忍な侵略者」が、かつて「一度も敗れたことがない」のに、パールハーバーの時点で、わずかに先祖伝来の小さな列島と、周辺の小さな島々と朝鮮半島から成る小国にすぎなかった、などという話があるだろうか。

 日本は自分の帝国のほかに委任自治領と満州国を治めていたが、それも第一次世界大戦以後のことだ。近代以前の1800年にわたる期間、日本は一度も本土の外に領土をもったことがない。近代日本の拡張も、ペリー提督が「蓋を開けて」から50年後に、ようやく始まったのである。

 日本民族は生まれつき侵略的であると考えるものにとって、日本史の事実はきわめて都合が悪い。戦争中の宣伝担当者達は、それらしい実例をあげるのに、実にどぎつい言葉でばかばかしい話をつくり出さねばならなかった。「東京レコード」のトリシャス記者は、日本の歴史的拡張主義を立証するために、日本列島が神々に征服された「神話」と朝鮮を征服した「伝説」を歴史に書き入れている。つまり、架空の出来事を現実のものにして、それを証拠と呼ぶのである。このばかげた記事が、ニューヨーク・タイムズの整理記者を喜ばせ、2600年の不敗の歴史という大見出しがついた。

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