2006.05.27 Saturday 03:17
くっくり
日中と日韓の外相会談がアジア協力対話の開催地カタールで行われた。関係悪化の最大要因である首相の靖国神社参拝問題では原則論に終始し、解決の糸口を見いだせなかった。
小泉純一郎首相の退陣が9月に迫るなか、中韓は「ポスト小泉」を視野に入れた対日政策を模索している。今回の会談は、日本の次期政権に対して両国の姿勢を示したものだ。ただし、途絶えていた政府間のハイレベル交渉が再開されたことに意義はある。
日韓関係は、互いに領有権を主張する竹島(韓国名・独島)周辺の海洋調査をめぐり一時は険悪な状態に陥り、国際的な懸念にもなった。経済・軍事面での台頭が著しい中国と日本の不仲は、アジアの安定と発展を阻害するともみられている。国際社会も失望したに違いない。日中韓の本格的な関係改善はポスト小泉を待たざるを得ない。
中国は1年ぶりの外相会談になぜ応じたのか。国際会議の場を利用した会談まで拒否すれば、国際社会から関係悪化の責任を問われかねない。そんな配慮が先に立ったのではないかと思わせる。韓国は、海洋調査問題をめぐり盧武鉉大統領が4月の特別談話で強硬方針を示してから初の外相会談。断固とした態度を伝え、日本側の姿勢を正す考えだったか。
首相の靖国参拝について中韓外相は「政治的障害」と批判し参拝中止を求めた。歴史問題で原則は崩さない姿勢をあらためて示した。
麻生太郎外相は、首相の靖国参拝は「不戦の誓い」と、あらためて理解を求めた。だが、小泉首相が参拝続行の姿勢を変えていない。中国は日本側の首脳会談再開の要請には答えず、麻生氏の訪中も求めなかった。
日中韓3国は相互の関係の重要性は認め合っている。中国には、度重なる対日批判が日本の対中強硬姿勢を招いたとの判断が、また韓国にも決定的な対立は避ける判断があったのは間違いない。日中はガス田開発の政府間協議の加速や安保、経済、科学技術分野での交流促進で合意。日韓は拉致問題解決に向けた協力の強化や排他的経済水域(EEZ)の境界画定交渉の再開などで一致した。
結局、外相会談で明らかになったのは、歴史問題の火種を抱えていては、共通利益を追求する実利志向に徹することもできないという関係だ。その構図で中韓が組めば、日本の孤立が目立ちやすい。
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