「ムーブ!」中国は北朝鮮をどう見ているか(付:最近のニュース)

2008.11.01 Saturday 00:38
くっくり


 「中国は国際社会とは違う異質な体制だと感じたよ」。中国のある知識人の友人はため息混じりに言った。
 彼は北京五輪前、日本を訪問した。しかし、北京の空港で出国の際、所持していた書籍の内容を徹底的に調べられた。「何かの容疑で拘束できないかうかがったに違いないと思う」。
 帰国前、彼は北京の空港でまた調べられると予想し、日本で買った書籍は日本人に渡した。
 当局者は彼の自宅を定期的に訪ねてくるという。当局者が聞くのは、最近の知識人やメディアの動向だ。「応対を断ると面倒なことになる。当局者の階級が上がるにつれ、質問が高度で深くなる」という。
 最近、ノーベル平和賞候補者に、人権活動家の胡佳氏(35)=国家政権転覆扇動罪で服役中=と、人権派弁護士の高智晟氏(44)=同罪で執行猶予付き判決=の名前も取りざたされた。
 知識人の集まりに参加したとき、この2人に果たして「平和賞」に値する功績があるのか議論となり、賛否が分かれた。反対論の理由は「中国の人権、民主化で活動した人物は過去、多くいるのに、2人の業績はさほどではない」というものだ。
 空港で調べられた知識人は賛成だった。「中国の人権状況を世界が注視するきっかけになる。中国の一般庶民も人権に目を向けるようになるかもしれない、と期待したんだが…」(野口東秀)

 胡佳氏といえば、妻である曽金燕さんが北京五輪開幕前日に公安当局によって連行され、遼寧省大連市のホテルに閉幕前日の8月23日まで軟禁されていました。五輪取材に訪れた外国メディアが、曽さんと接触することを恐れたためらしいです(朝日10/14)。

 日本ではこのことはあまり報道されませんでしたが、外国メディアは五輪開幕直後、「曽さんが行方不明だ」「中国当局が拘束しているのではないか」と、大きく報道していました(一例としてAFP8/7)。

 ノーベル平和賞の候補に挙げられていた胡佳氏ですが、今年受賞したのはフィンランドのマルッティ・アハティサーリ前大統領で、残念ながら胡佳氏の受賞はなりませんでした。

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