アフガン日本人拉致殺害で感じたこと(細切れぼやきも)

2008.08.30 Saturday 02:50
くっくり


 
【アフガン邦人男性拉致】「外国人追い出すため」 拉致犯はタリバン系組織(産経8/28)
 日本の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」(本部・福岡市)の伊藤和也さん(31)=静岡県出身=が武装グループに拉致され死亡した事件で、身柄を拘束された実行犯2人が捜査当局の調べに「アフガニスタンの治安悪化を印象付けて、外国人を追い出したかった」と供述していることが28日、分かった。地元高官が明らかにした。
 捜査当局によると、2人は反政府武装勢力タリバンと協力関係にある「ヒズブ・イスラミ」のメンバーであると認め「最初から殺すつもりだった」と供述。逃走中の拉致犯の1人が伊藤さんの頭を石で殴ったとも話している。捜査当局はタリバンとの関係や犯行動機を追及、逃走した犯行グループの3人の行方を追っている。(共同)

 政府の援助など全く受けず民間だけの力で、また政治的意図も一切なく、現地の人たちのため善意でのみ活動している人まで殺してしまうのか?日本人としては理解を超えてますよね。

 が、タリバンはそんな善意の塊のような伊藤さんをも、「住民に西洋文化を植え付けようとするスパイだ」と決めつけ、さらには「アフガンにいるすべての外国人を殺す。日本のように部隊を駐留していない国の援助団体でも、われわれは殺害する」とまで言っているわけです(共同8/27)。
 伊藤さんのように私たちから見れば立派な人でも、イスラム原理主義者から見れば自分たちの文化を破壊する「敵」でしかないのです。大変悲しく、また大変恐ろしいことです。

 タリバンやアルカイダのようなイスラム原理主義者と和解することは、残念ながら無理だろうと思います。
 彼らにとっては預言者がいた時代がユートピアで、それ以降の文明は全て堕落していると考えているわけで、自分たちの伝統の良い面は残しつつも西洋文化を受け入れてきた私たち日本人とは、全く価値観が違う。これはまさに文明の衝突なのです。

 もちろん一般的なイスラム教徒とは信頼関係も築けるでしょうが(伊藤さんと村民がそうであったように)、イスラム原理主義者は個人間の信頼関係よりも何よりも優先事項があるのです。それは当然ですよね。「原理主義=例外は認めない」のですから。いくら相手が人間的に良い人でも、自分たちのユートピアの実現に邪魔になる人は敵なのです。

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