2006.05.22 Monday 02:09
くっくり
※リチャード・フィッシャー
1980年代はじめから中国の軍事動向や安全保障政策を専門に研究し、米国議会下院国家安全保障特別委員会分析官、米中経済安保特別委員会顧問などを努めた。ジェームズタウン財団研究員などを経て現職。中国の軍事研究では全米でも有数の権威とされる。
【ワシントン=古森義久】
米国が日本の首相の靖国神社参拝をどうみるのかが対中関係や日本の次期首相選びとからんで、日本側でまた一段と注視されるようになった。小泉純一郎首相の参拝に反対し、中国の要求を尊重しようという側は、米国での「参拝反対」をことさらに誇大化して日本側に広めようとする。マスコミでは朝日新聞、政治家では加藤紘一氏がその好例のようだ。
「米国の反対」の虚構と呼べるところまで拡大して投影しようとするその試みは、日本の後継首相選出ともつれあった靖国問題での「米国カード」だといえる。このカードは日本の政局や対中政策の流れを変えようとする政治工作の武器としてはきわめて狡猾(こうかつ)である。
しかも使い方ではかなりの威力をも発揮しうる。対米関係を最重視する小泉政権にとっては米国からの声は真剣に受けとめざるを得ないからだ。
朝日新聞のこの「米国カード」は民主党リベラル系の日本研究者の靖国参拝への留保をあたかも米国全体の反対意見であるかのように報じるというパターンが多い。たとえば朝日新聞四月三十日付朝刊の一面記事の「『靖国』日米に影」「米の歴史観・アジア戦略と対立」「対日批判増す」という見出しをみれば、首相の靖国参拝が米国の歴史観やアジア戦略と対立し、米国全般の反対をあびて、日米関係に影を投げている、という意味に受け取れる。
ところがこの記事は実際には民主党系の日本専門家二人の考察の紹介だけ、しかもその人たちも「米の歴史観と対立」するのは日本側の「戦争の正当化」だとしているだけで、小泉首相の靖国参拝が米国の歴史観と対立するとはまったく述べていない。そして現実に首相は戦争を否定しているのだ。
靖国問題への米国政府の反応はブッシュ大統領の昨年十一月の言明に尽きている。同大統領はアジア訪問前の会見で「日米関係は小泉首相の靖国参拝のために悪化しているが」という質問の前提を否定する形で「日中関係は単なる神社への参拝(をめぐる論議)よりもずっと複雑だ」と言明したのだ。
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