米国を靖国問題に引きずり込もうとするサヨクの「下策」

2006.05.22 Monday 02:09
くっくり


■産経朝刊5/20一面(ネットソースなし)
 <首相を選ぶのは誰か〜不用意に抜けぬ靖国の棘>
 坂元一哉(大阪大大学院教授)
 靖国問題が日中関係に刺さった棘(とげ)だとすれば、この棘は複雑な刺さり方をしていえる。痛むからといって不用意に引き抜こうとしても抜けないし、かえって痛みが増す。

 最近出された経済同友会の提言に対して、私が懸念を覚える理由を比喩的に言えばそうなる。報道によるとその提言は、日中関係の安定的な発展のために、首相に靖国神社参拝の自粛を求めているという。

 小泉首相は「商売と政治は別」だと不快感を露(あらわ)にした。たしかにこの提言は、日中政治関係の冷却化が両国の経済・貿易関係に与えるマイナスの影響を心配しているようである。経済団体からの提言でもあるので、目先の商売のことだけを考えた物言いではないか、との反発が出たのはやむを得ないだろう。

 しかし、日本を代表する錚々(そうそう)たるビジネスマンの集まりである経済同友会が、狭い自己利益から提言を出したとは考えたくない。安全保障も含めた広い国益の観点に立っての提言と理解したい。

 そう理解したうえで私がこの提言に危惧(きぐ)の念を懐(いだ)くのは、首相が靖国参拝をやめれば日中関係は安定する、という前提に立っているように見えるからである。はたしてその前提は正しいだろうか。

 靖国問題が片づいても他の問題がある、日中関係の混迷は靖国だけが原因ではない、という議論はおく。しかし、それをおいても、いま首相が参拝をやめれば、長期的な日中関係にとって、かえってマイナスになるのではなかろうか。

 過去五年間の小泉首相の靖国参拝が、両国政府の関係を縺(もつ)れさせたのは間違いない。縺れさせてほしくなかったと残念がる気持ちはわかる。だが、いったん縺れたものを解きほぐす手だてについて、そもそも首相が行ったことで縺れたのだから、行くのをやめればそれでよい、と安易に考えるべきではない。

 なぜなら、首相が中国の強い反発を受けて参拝をやめれば、国内には必ず中国に対する強い反発が生まれ、それがまた日中関係の大きな悩みになるからである。靖国問題で「譲らされた」ことが「しこり」になって、他の問題では絶対に譲れないという硬直した外交姿勢につながる可能性は高い。

 そうなっては困るから、中国に言われたからではなく、自主的な判断でやめるべきだということがよく言われる。だが、首相が中国に言われたからではなく自主的な判断でやめるのは、どういう理由からだろうか。国民が納得し、両国関係に「しこり」を残さない、よい理由があるだろうか。

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