中国の「上策」に惑わされるな

2006.05.20 Saturday 03:49
くっくり


  植民地時代に日本にやって来て、さまざまな苦難をともにし、戦後も差別を味わってきた同胞である。それが二つに引き裂かれ、互いにいがみ合ってきた。
 在日社会にはそんな二重の悲劇があっただけに、南北首脳会談から6年、ようやくここまで来たことを歓迎したい。
 だが、気になることもある。まず、対立の時代と同様に、和解もまた本国の政治情勢と密接に連動していることだ。
 共同声明は二つの行事をうたっている。首脳会談6年を記念して、6月に韓国で開く祝典に共同で参加する。植民地からの解放を祝う「8・15記念祝祭」を一緒に開く。
 6月には韓国の金大中前大統領の訪朝も予定される。南北の融和ムードを高めたい両国政府の意向が、今回の和解の背景にある。両国が再び反目すれば、在日の社会もそれに振り回されかねない。そんな危うさがつきまとう。
 しかも、共同声明に書かれていない難題がいくつもある。地方参政権の問題をひとつとっても、民団は実現を求めているが、総連は「日本への同化策」と反対している。溝をどう埋めていくのか。
 トップ会談を前に、民団は脱北者の支援活動を中断した。総連と和解するためだとしたら、在日の人々からも日本人からも理解を得にくいだろう。
 問題は、二つの団体が手を握った後、日本の中でどういう在日の社会をつくろうとしているのかが見えないことだ。
 在日韓国・朝鮮人はいまや3世、4世が中心になりつつある。日本人との結婚が9割を占め、日本国籍を取る人も毎年1万人を超える。日本に対する考え方は変わり、本国とのつながりよりも日本でどう生きるかを考える人が増えている。そうした人々のための団体に脱皮できるかどうかが問われているのだ。
 本国に率直にものを言うことも大事である。例えば、総連は日本での北朝鮮の評判をもっと正確に本国に伝えるべきだ。民団も、誤解に基づく韓国での反日の機運に注文をつけていかなければならない。
 もうひとつ、両団体に期待したいのは、日本に住む外国人が暮らしやすくなるような活動だ。新たに日本に住む外国人は増え続けている。それなのに、かれらと共生するための日本の政策は遅れている。今こそ、日本で長く暮らしてきた自分たちの経験を生かす時だ。
 北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父、滋さんは今回の和解についてこう語った。「反日ではなく、共生の考えでまとまるなら喜ばしい」。 全く同感だ。

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