「ムーブ!」をほめ殺す

2008.07.05 Saturday 02:04
くっくり



 その後も『ムーブ!』では、障害者や刑務所の問題について、何度も何度も取り上げてもらい、結果、今、累犯障害者を取り巻く環境は徐々に改善されつつある。
 『ムーブ!』が少しずつではあるが、福祉行政や矯正行政を動かしているのだ。

 テレビというメディアは、世の中の出来事をタイムリーに追いかける「瞬発力」はあるが、そこを深く掘り下げていく「持続力」はない、と思っていたが、『ムーブ!』は違った。
 私が出演した回に限っても、アーク・エンジェルズや、柔道整復師の問題、あるいは自治体交通局の問題を、何回にもわたり、執拗かつ果敢に報道し続けている。

 この持続力とタブーを恐れぬ精神こそ、『ムーブ!』が持つ大きな武器であろう。
 そして実際に、柔道整復師の不正請求問題については、厚生労働省の重い腰を上げさせるに至っているのだ。

 動く社会を追いかけるだけではなく、社会を動かす『ムーブ!』。
 今私は、この番組の中に居場所があることに、無上の喜びを覚えている。

 山本さんが昨年1月に『ムーブ!』に呼んでもらう直前、大阪府八尾市で、服役経験のある知的障害者が子供を突き落とすという事件があったそうです。
 この時、東京の局からも出演依頼があったものの、全部、生放送ではなく「収録にしてくれ」と。「微妙な問題なので誤解を与えると恐ろしいので、編集させてもらう」という前提でのオファーだったと。だから、『ムーブ!』で生放送で取り上げてくれるとは思いも寄らなかったんだそうです。
 また山本さんによれば、『ムーブ!』は関西の出先機関が録画して、本省(この場合で言うと厚生労働省や法務省)に送ったりしているため、東京でも反響があるそうです。


・ムーブ!をほめ殺す(勝谷誠彦)
image[080704-05katuya1.jpeg] 深夜、日付がかわったころ、朝日放送の新社屋、地下3階の鋼鉄のドアに設置された読取機に、限られたスタッフだけが持つIDカードをかざすと、静かな音とともにドアが開く。

 「あらあ。かっちゃん。いらっしゃい」。妖艶(ようえん)な微笑みで迎えてくれるのは関根ママだ。

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