「ムーブ!」をほめ殺す

2008.07.05 Saturday 02:04
くっくり



 記者クラブ制に象徴されるように、日本のメディアは役所や大企業が記者相手に発表したニュースをそのまま横流しする。
 情報源が同じだから、必然的にニュースの質感が似通ってくるのだ。

 さらにいえば、「横並び」を好む日本人の特性がニュースの均衡性をさらに助長している。
 他人と違うことに強い違和感を覚え、他人と同じであることに安堵を覚える日本人のメンタリティが、均質な報道を呼び込む大きなバックグラウンドになっているのだ。

 だが、同じニュースが似通った論調で繰り返される時は危ない。
 事実はひとつだが、それを正しく報じることは至難の業で、見る場所、見る視点によって、同じ事件、同じ現象が違って見える。
 つまりひとつの事実に対して、多様な報道があってこそ、自然なのである。

 ニュースの真実性を担保するのは多様性だ。
 米国では政府支援の番組がある一方で、そうでない番組もたくさんある。相反する情報が同時に存在する健全さが、ニュースの健全さをも担保しているのである。

 『ムーブ!』の存在意義はまさにそこにある。他の報道番組とは一線を画し、独自の調査報道を志向している。
 大阪市や京都市の職員不正問題等々、数々のスクープを飛ばしてきた。人と同じであることを潔しとしない姿勢がいい。

 だが最近は、ちょっと鳴かず、飛ばず。迫力不足の感を否めない。
 大阪府の緊縮財政は大賛成だが、『ムーブ!』の緊縮財政はいかがなものか。

image[080704-24takarabe2.jpeg] 多様な報道の担い手として、ニュースの健全性を担保する番組として『ムーブ!』が存在するためにも、朝日放送に言いたい。

 もっと予算を!

 しかし予算は本質ではない。あるに越したことはないが、カネがあればスクープがとれるわけではない。
 そこで『ムーブ!』に言いたい。

 もっと気合いを!

 「『ムーブ!』の緊縮財政はいかがなものか」の箇所では若一・吉永両氏が拍手。
 「もっと予算を!」の箇所は堀江さんも強調して読んでました。それも二度。よほど予算削られてるんですね(T^T)
 若一さん曰く、「財部さんはコメンテーター労働組合の委員長」。

[7] << [9] >>
comments (9)
trackbacks (0)


<< 「アンカー」北朝鮮問題と洞爺湖サミット 中国が正式加盟!?
「日中の興亡」 >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.04R]