外国人から見た日本と日本人(6)

2008.06.03 Tuesday 01:12
くっくり


1992年10月ダラムサラの法王宮殿内にて行なわれた葉山氏との会見より

 私は最初に訪日したとき、多くの友人に語ったこともあるし、自分も感じたこととして、日本は物質的に大層発展したし、また現にしつつあるけれど、そのうちある段階で、このような発展に起因して精神的な問題も生じてくると思います。日本には、昔から豊かな文化もあるし、仏教の教えもありますから、それらを伝統や習慣としてやるだけではなく、よく考えてこれらの文化と思想を生活の中に活かし、物質と精神の双方を発展させることが重要だし、日本ならそれも可能だと思います。

■C・W・ニコル=イギリス人(1995年日本帰化)。サウスウェールズ生まれ。17歳でカナダに渡り北極地域の野生動物調査を行って以後、カナダ政府の漁業調査局、環境局技官として12回に及ぶ北極地域の調査を行う。1962年(昭和37年)、空手修業のため来日。81年(昭和56年)から長野県黒姫に居を定め、作家活動に入る。2005年5月、財団法人C・W・ニコル・アファンの森財団を設立し、理事長に就任。日本の捕鯨史を学んだ関係で、日本の食文化・漁業文化・生活文化を守る必要性から捕鯨推進論者……らしい。
「WiLL」08年3月号掲載 花田紀凱との対談より

ニコル
「20年くらい前、知床で林野庁が木を伐採していたんです。林道が止められていたので、地元の人とお忍びで森に入りました。
 そこには400年近く生きていた素晴らしいミズナラがあったんですが、それも切られていました。切り方が下手なので、引っ掛かって小さな切りくずがたくさん落ちていたので、それを持って帰りました。磨いてみるとはっきりと年輪が見えて、江戸時代はこの辺だな、ということまでわかりました。
 こんな素晴らしい歴史を持つ大木を国は切ってしまうのか、と怒りを覚えました」〈中略〉

花田
「1995年に日本に帰化されましたが、日本の森の何がニコルさんをそこまで惹きつけたのですか?」

ニコル
「確かにカナダの森も素晴らしいのですが、日本の原生林はもっと凄いんです。例えば、知床では海岸線までミズナラの大木が生えており、その先に流氷があります。落葉樹と流氷が一緒に存在しているなんて土地は、他にありません。それに世界で一番古い木があるのも日本です。屋久島の縄文杉ですね。

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