外国人から見た日本と日本人(6)
2008.06.03 Tuesday 01:12
くっくり
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戦前戦中の日本について外国人が記した本はないだろうか?と本屋さんで2時間粘って見つけたのが、講談社学術文庫「日中戦争見聞記―1939年のアジア」(コリン・ロス/金森誠也・安藤勉 訳。2003年8月10日第1版発行)です。
1990年4月に新人物往来社から刊行された「日中戦争見聞記」を底本にしたものです。
今回はこの「日中戦争見聞記―1939年のアジア」からコリン・ロスの記述を2本紹介しました。
コリン・ロスは1885年(明治18年)、ウィーンに生まれ、1938年(昭和13年)の独墺合邦以後「ドイツ人」となりました。
ロスはこの本の表題に記された1939年(昭和14年)に、日本、満州、日本軍の占領下の中国ばかりか、重慶はじめ中華民国(蒋介石)支配下の中国各地、さらに、香港やインドシナを旅行し、多くの有力者と会談をしています。
後日、ネットを調べてみての印象ですが、どうやら日本ではあまり知られていない人のようです。
訳者の金森誠也氏(静岡大学、日本大学などの教授を歴任)と安藤勉氏(日本医科大学助教授)はあとがきで、ロスは「親日的」であると書いていますが、私はさほどそういう印象は受けませんでした。
というのは、全編を通して「日本人よりも中国人の方が優れている」という趣旨の文章がところどころに登場するからです。
「中国人とちがって昔から好戦的民族」「肉体的に劣っている」「精神的にも一般に劣っている」「島国のちび」「形式にこだわる官僚主義者」等々……(最後のは当たっているかも(^^ゞ)。
訳者は何をもってしてロスを「親日的」だと言うのだろう?と思い、あとがきをよく読んでみると、何だか見慣れた名前が出てきました。
本書における記述は、ロスが1938年3月の独墺合邦以後「ドイツ人」となった関係から、たしかに全体主義的で親日的すぎると思われるふしもある。ラーベ『南京の真実』のような日本軍の残虐行為の描写もなく、日本に甘いとみる向きもある。
ラーベの迫力は欠いても概して客観的冷静な筆致でロスが昭和14年(1939)という世界史上まれにみる激動の年において、アジアを中心とする世界の断面図を提供している点は興味深い。
そりゃあんた、ラーベと比べりゃ誰でも「親日的」でしょ(T^T)
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