2008.04.15 Tuesday 01:04
くっくり
「それはやはり大きなほうの国の言葉を使うことになるでしょう」
この言を聞いたとき、私は彼が決して冗談を述べているのではないと、感じた。その部分だけは本気だという実感が伝わってきたのだ。私は内心、ああ、これこそが例の中華思想というものか、と感嘆していた。
捕鯨と倫理の問題が理解できず、故山本七平にインタビューしてこの点を質したことがある。山本は76年2月13日号の『週刊朝日』に「捕鯨禁止運動の背後にある人種差別に気づかぬ日本人」と題するアメリカ・ルポを寄稿している。山本は前年10月に天皇、皇后両陛下が訪米した際、反捕鯨デモに遭った背景を探るために『週刊朝日』の依頼で取材をしている。
同ルポの中で山本は、日本人→クジラ殺し→悪人→日本品ボイコット→日本人排撃、という考えや現象がアメリカで起こっており、同じ捕鯨国のロシアに対してはこんな風当たりがないことをあげ、アメリカに来てみて確かにクジラ問題はレイシズムの一表現だと感じた、と述べている。
倫理と捕鯨の問題に対する山本の分析は明快だった。
「アングロ・サクソン民族は自らを地球の最上位に据える。次に彼等以外の白人がくる。その次には彼等が自分たちと同じ権利を認めたい動物がランクされる。類人猿、犬、鯨類であろう。その下に有色人種を置く。日本人が1ランク上位の鯨類に手をかけることは倫理に反する、ということになる」
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