2008.03.25 Tuesday 01:18
くっくり
馬氏はこれまで、人権問題などで中国を批判し、統一へ向けた交渉を開始する条件として「天安門事件の再評価」などを指摘した経緯がある。22日夜、馬氏は勝利宣言の中でも「数千年の華人(中国人)の歴史の中で、小さな台湾だけが民主化を実現した。民主と自由という価値観は台湾の核となる宝であり、私は命をかけてそれを守りたい」と強調した。一党独裁の中国の政治体制に対する痛烈な皮肉にも聞こえる。
台湾との統一は、国内問題が山積する中国にとって最優先課題だとはいえない。そうした現状にあって、台湾独立を主張する民進党という“中国の敵”を倒した馬氏は、中国にとり味方なのか、それとも敵なのか。中国はしばらく馬氏の言動を静観し、見極めようとしているようだ。
今後の馬氏の出方しだいでは、中国が一気に馬氏への批判に転じる可能性もある。例えば、ますます盛んになるであろう両岸交流を通じ、馬氏が台湾の民主や人権などの価値観を中国に浸透させ、知識人などの支持を得て影響力を拡大するようなことがあれば、共産党政権にとり馬氏は厄介な存在になりかねない。
また、馬氏はかねてから「国連加盟は2300万台湾人民の共通の希望」と主張し、陳水扁政権と同様、台湾の国際組織への加盟を求めている。台湾を中国の一部と主張する中国は、こうした動きを「独立への企て」と見なし、政治力を行使して阻止してきた。
馬氏の勝利で台湾独立の動きが後退したと、安(あん)堵(ど)したのもつかの間、中国は「馬英九の台湾」とどう向き合うかという、新たな難問を突きつけられている。
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