台湾総統選 馬英九氏勝利で今後どうなる?

2008.03.25 Tuesday 01:18
くっくり


 悲しいのは、民主的な選挙で選ばれたはずの人々が、なぜ公の利益よりも党益、私益を優先するようになってしまうのかという点です。奴隷に国家はつくれません。旧約聖書によれば、モーセが奴隷部族に自由と解放のビジョンを与えて一つの民族にまとめ上げ、カナンの地に連れ帰るために四十年の歳月を要しました。一方、台湾人は五十年かけて民主政治を手にしたはずなのに、台湾人の手に渡った途端、政治は堕落してしまった。私は教会に行くたびに、「台湾人が国家をつくれるのに、あと何年かかりますか?」と牧師に問うているのです。

深田 李さんが表舞台に復帰されるおつもりはないのですか?「李登輝友の会」のメンバーたちが、謝候補を勝手連的に応援し始めたそうですが……。

李 私がくちばしを挟むでもなく、なるようにしかなりません(笑)。ただ、非常に興味深い選挙であることは確実です。
 謝さんがあっさり大差で敗北してしまえば、台湾の民主化は二十年遅れてしまうでしょう。しかし馬さんを僅差で追い上げられれば、両党の旧勢力が一掃され、大幅に世代交代が進む可能性があります。
 世論調査の結果を眺めていると、徐々に謝さんが追い上げており、後者のシナリオが進む可能性が高まってきました。また、大陸や海外に在住している台湾人は約百万人おり、彼らの票はまだ手付かずで残っています。この百万票をどれだけ獲得できるかで、形勢は大いに変わるでしょう。場合によっては、第三勢力の結集、国民党の分裂など、政界再編もあるかもしれない。その意味では、今回の総統選は非常に面白い選挙であるのです。

 ちょこっと補足。

 「馬さんは選挙演説の中で、きちんとした対中外交ビジョンを打ち出せていません」という箇所ですが、馬氏は確かに中台直行便の定期化、中国人観光客の訪台解禁など、経済面ではいくつか掲げていたものの、政治については腰が引けているというか、「私の任期中には独立も統一もしない。現状を維持する」というふうなことしか言ってなかったようです。

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