「アンカー」横須賀基地ルポ(付:中国毒餃子)

2008.03.06 Thursday 02:40
くっくり


青山繁晴
「うん、何でなのかということを言いますが、その前にね、さっき言いました昼ご飯の時間になるでしょ。そうすると、さっきの桟橋に他の護衛艦ついてるでしょ、するとみんな当然昼飯食って、昼飯食ったあとにこうやって甲板で全員こうラジオ体操も、体操もするわけですよ、ご飯のあと。それが『あたご』だけシーンと静まりかえってて、さっき、しかもこうやって首出しただけで何も動きがないわけです。つまり見てると、言い方を気をつけなきゃいけないけれど、僕は正直、幽霊船のようだと思ったわけですよ。びっくりしました。そしてヤマヒロさんが何でそうなってるかと聞かれたようにね、その、僕についてた三等海佐、国際的に言うと海軍少佐に、どうしたんですかこれは、この異常な状況は何なんですかと聞いたらですね、『いや、海上保安庁からそういう要請があったわけではありません。我々がまあ自主的にやってるんです』と言われたんでね」

一同
「はあーー」

青山繁晴
「いや、自主的はいいんだけど、乗組員だって国民の一人だから。ね。人権、人道があるんだよと。『何の法律に基づいて、何の内規に基づいて、どんなルールで閉じこめてるんだと言ってみなさい!』(怒)と言ったら、言えないわけですよ。『我々は、いや、やっぱりこれは、やっぱりこれは大人しくしてなきゃいけないかなと思っているんです』と言うから、僕はね、ちょっと話、飛躍するようだけど、その三等海佐に言ったのはね、『あなたの言うこと聞いてるとね、まずね、この国は民主主義ってものがないのかと思うよ』と。これ、たとえばね、英国海軍でもアメリカ海軍でも、事故はけっこうありますよ。その時にね、こんな状態だったら必ず下の乗組員が手を挙げて、ちょっと待って下さい、私たち家に帰れるはずですと主張する。ね。それを艦長何なりが公平に判断する、それが民主主義でしょう?軍隊には民主主義はない、そんな馬鹿なことはありません。それだったら我々の負けた、かつてのね、間違った戦争で負けた軍隊と同じになっちゃうじゃないですか。じゃあ僕たちはいつ民主主義を勉強したのかと。たかが300人、中にいるだけだって話じゃなくて、そこに問題の本質が出てるわけですよ。さっきと同じように、アメリカにしたら責任を任せて安心してられる、それから緩みが出てくるってのは実は同じことで、僕たちは本当はあの敗戦から学んでないじゃないか。私たちのオリジナルな民主主義を作ってるはずが、乗組員の普通の声すら吸い上げられない組織になってるってことをね、やっぱり考えなきゃいけないと思うんですよ。で、もう時間がないからこれ以上言えないんですが、言えないんですが、その、最後にひとつ言うとですね。僕が最後にその三等海佐に言ったのはですね、『これはちょうど昭和天皇が亡くなる時のあの自粛を思い出すよ』と。あの時に運動会までみんなできなくなって、しかし昭和天皇自らがそれを望まれたなんてことは全くないじゃないですか。僕は天皇班の取材やってましたが、おそらく昭和天皇におかれては、自分が次世代に託していく時に、子供たちが元気で運動会やってる姿をむしろご覧になりたいと思うと。誰も命じてない。ね。誰も責任とらないのに、いつの間にか自粛になってるこの国の空気っていうのが、実は海上自衛隊の問題にも、さっきの警察官の問題にも全部つながってるってことを、皆さん考えてほしいんです。そのためにも皆さん、どうかあの公園に行って、『あたご』のずーっと静まってる、昼ご飯になっても誰も出てこない、あの情景を一人でも二人でもご覧になって下さい」

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