外国人から見た日本と日本人(5)
2008.02.11 Monday 02:58
くっくり
フェノロサの日本美術への傾倒は凄まじいものだったらしく、1880年(明治13年)に生まれた長男に「カノー」(“狩野派”は日本絵画史上最大の画派)と名付けたほどです。
が、フェノロサは、日本人が日本美術を大切にしていないことにショックを受けることになります。
明治維新後の日本は盲目的に西洋文明を崇拝していたからです。日本人が考える“芸術”は海外の絵画や彫刻であり、日本古来の浮世絵や屏風は二束三文の扱いを受けていたのです。
最悪だったのが寺院や仏像で、廃仏毀釈によって破壊されていることに強い衝撃を受けたフェノロサは、日本美術の保護に立ち上がりました。自らの文化を低く評価する日本人に対し、如何に素晴らしいかを事あるごとに熱弁したそうです。
また、滅亡寸前の日本画の復興を決意したフェノロサは、日本画家たちに覚醒を求める講演を行ないました。
「日本画の簡潔さは“美”そのもの。手先の技巧に走った西洋画の混沌に勝ります」「日本にしかない芸術があるのです!」
西洋文明へのコンプレックスに支配されていた日本人はびっくり。新政府は日本が芸術の世界では一等国と勇気づけられ、フェノロサの演説を印刷して全国に配布したそうです。
まさに「日本の恩人」ですね。もしもフェノロサがいなかったら、日本美術は果たしてどうなっていたことでしょう?
……というわけで、第6弾につづく……!?
※参考文献
・渡辺京二著「逝きし世の面影」(平凡社ライブラリー)
・産経新聞朝刊文化面2007年12月2日「すてきなところへ」(45)フェノロサと大津(上)
・「正論」2008年2月号「フォトギャラリー/ブラジル移民100年の絆 戦前編」
・富山県神道青年会HP>外国人の見たニッポン
・ヘレン・ミアーズ著「アメリカの鏡・日本」(メディアファクトリー)
・「諸君!」2008年2月号 麻生太郎「『保守再生』はオレにまかせろ!」(聞き手:宮崎哲弥)
・「正論」2008年2月号 ペマ・ギャルポ「私の『大好きなこの国』はどこへ向かおうとしているのか
※おすすめブログ
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