外国人から見た日本と日本人(5)

2008.02.11 Monday 02:58
くっくり



 作家の久我なつみさん(53)を京都に尋ねた。日本美術が米国の美術にどう影響していったかに関心を持って、フェノロサについても調べた。「フェノロサと魔女の町」などの著作がある。

 「日本人が日常の生活のすみずみまで美的感覚を生かそうとすることに、フェノロサは最初、非常に感動しました。たとえばお金がなくても野の花を楽しむことができる。ただお茶を飲むことでも、自然と感応する。ところが欧米化によってそういう日本の生活が金銭を得ること、産業主義・資本主義一辺倒になっていった。そのことにフェノロサは批判的でした」

 「物質的なものは手段にすぎないのに、日本人はこの手段を目的とし理想としてしまっている」というフェノロサの主張にドキッとしたのは、おそらく私だけではないでしょう。
 
 明治の後半にはすでに日本は現在のような、物質主義的なものへの傾倒を見せていたのですね。やはり黒船来航は日本から大事なものを奪ってしまったのだなぁ、と。
 (もちろん、帝国主義のあの時代、日本が近代化することは絶対に必要だったのですが……)

 フェノロサという人を私はこの産経の記事で初めて知ったのですが、その後、いろいろ調べましたところ、日本美術に対して非常に大きな貢献をした人だということがわかりました。

 そのあたり、以下のサイトを参照しつつ、進めさせていただきます。

文芸ジャンキー・パラダイス>日本人よりも日本美術を愛した男 あの人の人生を知ろう〜フェノロサ

 フェノロサは来日後すぐに、仏像や浮世絵など様々な日本美術の美しさに心を奪われ、「日本では全国民が美的感覚を持ち、庭園の庵や置き物、日常用品、枝に止まる小鳥にも美を見出し、最下層の労働者さえ山水を愛で花を摘む」と記しました。

 (同じようなことを、明治時代に訪日した他の多くの外国人も記しています。たとえばオーストリアの外交官ヒューブナーは、「この国においては、ヨーロッパのいかなる国よりも、芸術の享受・趣味が下層階級にまで行きわたっている」「ヨーロッパ人にとっては、芸術は金に余裕のある裕福な人々の特権にすぎない。ところが日本では、芸術は万人の所有物なのだ」と記しています)

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