2008.02.11 Monday 02:58
くっくり
「エルギン卿遣日使節録」より
下田の会所(物産展示販売場)についての記述
これらの会所はもっとも人をいらいらさせる場所である。そこにはたくさんの品が並び、どれも美しく新奇なので、人は呆然とした気持になり、覆いかぶさる懐の負担を痛感しながら、光り輝く珍しい品々の並ぶ道を歩き回る。何を選んだらよいか、どんな品が故国で一番喜ばれるか。……ほかのものはみんな気違いのようになって買っている。……一番いいものはみんなあなたの鼻先で買い占められている。そこであなたは困惑し、失望しそこにつっ立っている。結局あなたはポケットが空になるまで、無鉄砲に無批判に買おうと心に決める。
「大君の都」(中巻)より
熱海滞在中に愛犬が死んだ時の記述
この場合、日本人の性格のもっともよい気質のいくらかが、非常に都合よく現れた。
〈中略〉私の別当頭は、犬が死んだことを聞くとすぐにかけつけて、かご製の経かたびらに犬を包み、とむらいをした。私は宿所の経営者に木陰の美しい庭に犬を埋葬する許可を求めた。すると彼はすぐにみずからやってきて、墓を掘る手伝いをしてくれた。あらゆる階級の一団の助手たちが、あたかも彼ら自身の同族の者が死んだかのように、悲しそうな顔付きでまわりに集まってきた。犬はむしろに包まれて、好物の豆といっしょに墓にいれられた。注意深く北側におかれた頭の上に常緑樹の枝が一本さしこまれた。寺の僧侶が水と線香をもってきた。ついでその場所を示すため、でこぼこの墓石が墓の上におかれた。日本人は、支配者によって誤らせられ、敵意をもつようにそそのかされないときは、まことに親切な国民である。
「クララの明治日記・上巻」より
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