2008.01.22 Tuesday 01:00
くっくり
確かに戦前の日本が足をすくわれた背景には新聞の熱狂的な戦争報道があった。とりわけ朝日新聞は、ゾルゲ事件に朝日新聞出身の尾崎秀実が連座したことに象徴されるように誰よりも戦争遂行に熱心で、国民から浄財を募って戦闘機を軍へ献納する運動を展開したり、新聞の販売拡張の狙いもあって皇居前で戦車を先頭にパレードを行ったりまでした。
では翻って戦後の朝日新聞はどうであったのかというと、それこそ目を覆いたくなるほどに無残である。
独立回復後の全面講和論の主張に始まって、非武装中立、日米安保反対、毛沢東の文化大革命礼賛、湾岸戦争への後方支援妨害、自衛隊のPKO派遣反対、教科書改ざん協力、靖国参拝の政治問題化、北朝鮮拉致事件の無視――等々、戦後のマスメディアの誤謬(ごびゅう)を一社で代表してきた観さえある。
だが、これだけ酷い報道を繰り広げながら、戦後報道の恥部については、見てみぬふりを決め込んでいるのである。これ以上の自己欺瞞、自己冒涜(ぼうとく)があろうか。
むしろ、今の朝日新聞に比べれば戦前の朝日新聞はまだまともだったというのが本当ではないだろうか。
支那事変が起こって間もなくして、日本軍が南京を占領したときの朝日新聞の報道をまとめて読んだことがあるが、文章の端々に従軍記者の素朴な愛国心が感じられ、また、陥落後に再び生活を始めた中国人のバイタリティあふれる姿が活写されていてさもありなんと感じられた。
支那事変から大東亜戦争に至るあの時代、日本は国を挙げて戦争に突入したのである。新聞の報道の自由も本来、国家の運命と無縁ではないはずである。朝日新聞が戦争に協力したからといって一体誰が非難出来ると言うのだろうか。
ところが、敗戦後の朝日新聞はまるで自らが占領軍でもあるかのように「東京裁判(極東国際軍事裁判)」を根拠に戦前の日本を叩き続けてきたのである。中国や韓国に協力して「南京大虐殺」や「百人斬り」、「従軍慰安婦」もでっちあげた。つい最近も沖縄戦での住民の集団自決を「軍命令」とするウソのキャンペーンを展開した。
その報道からも論評からも、「黄人の重荷」を背負って必死で独立を守ってきた「近代、日本」に対する愛惜の念が微塵も感じられないのである。
[7] << [9] >>
comments (30)
trackbacks (1)
<< 「ムーブ!」反捕鯨活動過熱で日豪関係緊迫
「ムーブ!」“ニュース バカ一代”捕鯨船妨害活動 >>
[0] [top]