外国人から見た日本と日本人(4)

2008.01.08 Tuesday 01:27
くっくり



 いったい私たちは公正な裁判官を自任できるほど潔白で聡明なのか、アメリカ人は自問自答したことがない。私たちは日本側のいい分を聞いてみたことがない。日本の歴史については、戦争プロパガンダが好んでつかう史実しか教えられなかった。

 私たちは日本とアジアの考え方をまったく無視してきた。日本人は起訴状にあるように、本当に世界征服の野望を抱く野蛮で侵略的な民族なのか、考えてみたこともない。私たちは、指導者、一般庶民を問わず、全日本国民をひとくくりにしてきた。確かに、一定の線を引いてはいる。罪状がはっきりしている戦争犯罪人に関しては、軍と行政府の戦争指導者を区別し、犯罪の種類と軽重を決めている。ところが国民と文明に関しては、釈明も聞かずに、いきなり有罪と断定しているのだ。

■ヘレン・ミアーズ=アメリカ人。東洋学者。1920年代から日米が開戦する直前まで2度にわたって中国と日本を訪れる。1946年(昭和21年)に連合国占領軍最高司令部の諮問機関のメンバーとして来日、戦後日本の労働基本法の策定に携わった。
「アメリカの鏡・日本」(昭和23年出版。出版当時、マッカーサーにより邦訳出版が禁止された)より

 国際関係を本当に知ろうとしたら、政策立案者の説明する政策が実際はどういう意味をもっているか、深く考えてみる必要がある。私たちが「国益」としているものの上に、外交政策を立てているなら、日本に対する私たちの裁判はかなり調査が必要となってくる。日本の政策は一貫して国益の上に据えられてきたからだ。私たちが「国家の存亡にかかわる利益を守るために戦う」のは、私たちの権利であると主張する以上、同じように主張してきた日本を何で罰することができるのか。「世界征服」を企てたという理由で、日本を公式に罰することができるというのも理解できない。現にアメリカの公式調査報告は、そのような意図はなかったという日本の反論を記録にとどめているのだ。

[7] << [9] >>
comments (21)
trackbacks (1)


<< 熊さん痛すぎ(ノ∀`)
「アンカー」9月総選挙、政界大再編!?(付:米大統領予備選) >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.04R]