外国人から見た日本と日本人(4)

2008.01.08 Tuesday 01:27
くっくり


「知られざる日本の面影(日本瞥見記)」より

 将来まさに来ようとしている変革が、この国の道義上の衰退をまねくことは避けがたいように思われる。…西欧諸国を相手にして、産業の上で大きな競争をしなければならないということになれば、けっきょく日本は…あらゆる悪徳を、しぜんに育成していかなければなるまい。

 昔の日本が、今よりもどんなに輝かしい、どんなに美しい世界に見えたかを、日本はおもいだすであろう。古風な忍耐と自己犠牲、むかしの礼節、古い信仰のもつ深い人間的な詩情、――日本は嘆き悔むものがたくさんあるだろう。日本はこれから多くのものを見て驚くだろうが、同時に残念に思うことも多かろう。おそらくそのなかで、日本が最も驚くのは古い神々の顔であろう。なぜなら、その微笑はかつては自分の微笑だったのだから。

■小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)=アイルランド人の父とギリシャ人の母の間に生まれる。1869年(明治2年)に渡米、新聞などで活動。1890年(明治23年)、松江に英語教師として赴任。その後、熊本、神戸、東京と移り住み、日本に帰化。多くの日本論も残した。
八雲の講演「極東の将来」(中島最吉訳)より

 私は将来は極西のためではなく、極東のためにあると信じている。少なくとも中国に関する限りそう信じている。しかし、日本の場合は危険な可能性があるように思う。

 それは古来の、素朴で健康な、自然な、節制心のある、正直な生き方を放棄する危険性である。私は、日本がその素朴さを保持する限りは、強固であるだろうと思う。日本が舶来の贅沢という思想を取り込んだ時は、弱くなるだろうと思う。

■ロスロップ・スタッダード=アメリカ人。歴史学者。
「有色人種の勃興」(大正10年出版)より

 すでに四百年の間、連続的勝利によって、白人は本能的に自己の膨張は無限に継続するものと信ずるに至った。1904年の日露戦争以前には、自己の膨張が停止するというような思想は白人千人中の一人にも考えがおよばなかった。

〈中略〉1900年は、四百年間みなぎりきった白人潮勢の頂点であった。白人はその時、威名と実力の頂上に達したのである。その後わずか四年にして日本は猛然起って露国に抗し、旅順港に巨砲弾を浴びせて世界を驚かした。その刹那に白人の退潮が始まった。


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