集団自決教科書問題で玉虫色決着(付:各教科書記述変遷)

2007.12.28 Friday 01:30
くっくり



 「関与」認めるだの、「関与」復活だの、「強制」復活だの、「強制」復活せずだの、「強制」認めずだの、まぁいろいろあって、ややこしいこと(^_^;。同じニュースの見出しとはとても思えません。今回の決着がいかに玉虫色であったかを象徴していると思います。
 
 沖縄紙は悔しそうですね。軍の「命令」、それが無理なら軍の「強制」を認めろってんでこれまで運動してきたわけですから、これはもう実質「敗北宣言」でしょうね。

 「関与」復活っていう表現も、そもそもおかしいんですよ。
 3月の検定後、朝日新聞などサヨクメディアは、軍の「命令」あるいは「強制」を「関与」とすり替え、「軍の関与が削られた!」と煽ってきましたが、実際のところ、軍の「関与」は検定後も消えてはいなかったんですから。
 (朝日社説12/27付を見たら、まーだ「集団自決への軍の関与そのものも、文科省によって一斉に削られていた」なんて書いてある。ほんとにもう!)


 そのあたりのことも含めて、各教科書の記述内容の変遷をまとめてみました。

○実教出版 日本史B(その1)

<修正前 去年4月>
 日本軍は、県民を壕から追い出し、スパイ容疑で殺害し、日本軍のくばった手榴弾で集団自害と殺しあいをさせ、八百人以上の犠牲者を出した。
<修正後(検定合格後) 今年3月>
 日本軍は、県民を壕から追い出したり、スパイ容疑で殺害したりした。また、日本軍のくばった手榴弾で集団自決と殺し合いがおこった。犠牲者はあわせて八百人以上にのぼった。
<訂正申請 今年11月>
 日本軍は、住民に手榴弾をくばって集団自害と殺しあいを強制した。【→取り下げ】
<再申請後(承認) 今年12月>
 日本軍は、住民に対して米軍への恐怖心をあおり、米軍の捕虜となることを許さないなどと指導したうえ、手榴弾を住民にくばるなどした。このような強制的な状況のもとで、住民は、集団自害と殺しあいに追い込まれた。
【備考】
 実況出版は、訂正申請の理由として「高校生が正確に沖縄戦を理解するうえで支障をきたすおそれがある」ことを挙げた。なお、「日本軍は、県民を壕から追い出し、スパイ容疑で殺害し」の記述はおそらく残っていると思われるが、今回の私の調べでは確認できず。

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