集団自決教科書問題で玉虫色決着(付:各教科書記述変遷)
2007.12.28 Friday 01:30
くっくり
今回のニュース、マスコミが伝えてるのはやっぱり、「軍命令あるいは強制肯定派」の声が圧倒的に多いんですよね。公正中立って言葉を知らんのやろか。
先ほど書いたように、今回はほんと玉虫色の決着で、両者痛み分けみたいです。「文科省、お茶を濁して逃げたな!」と両方が怒ってるというか。
このブログでも何度か述べましたが(最後のリンク集参照)、当時を知る人たちの証言から軍の「命令」などなかったのは明らかですし、軍の「強制」もなかったというのが私の考えです。
なので、個人的に今回の結果には不満は大いにありますが、とにかく最後の線は守られたんじゃないかという気がします。「集団で政府に圧力かければ教科書を思い通りに書き換えさせることができる」という恐ろしい先例ができあがるまでには至らなかったということで。
最後に――。
先日発売になった「諸君!」2月号に秦郁彦氏の論文が載ってます。題して【徹底検証 沖縄戦集団自決と大江健三郎裁判】。
集団自決が起こった経緯、住民の証言、「軍命令説」の発生と変遷、裁判における大江氏の非常識で不誠実な答弁、金城重明氏(ある意味非常に気の毒な人)の証言の変化など。
ぜひ皆さんにお読みいただきたいです。軍の「命令」も「強制」もなかったことがよく理解できると思います。
締めの箇所だけ紹介しておきます。
実はホンネの部分では文科省と教科書執筆者、さらに沖縄県当局や左派マスコミの間で、軍命令はなかったとする認識に差はないと私は観測している。だからこそ、反対派は軍命を強制、誘導、黙認、関与といった、語義のはっきりしない運動体向けのスローガンにすり替えたのだ。
とくに「関与」は自決するなという「軍命令」もふくむ便利な用語だから、沖縄県知事や県民大会の決議が「軍の関与は紛れもない事実」に落ちついたのは、沖縄流の知恵かもしれない。
腰が引けているのは左派マスコミも同じで、軍命説を裏づける新証言を精力的に発掘しても怪しげなものばかり。
困った朝日新聞は「軍は無関係というのか」(07年3月31日付社説)とアジるだけ、琉球新報は「決定的な要因は、日本軍の存在の有無」(07年6月22日)と居直った。「雉(きじ)も鳴かずば射たれまい」式の論法だろうか。
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