沖縄戦集団自決問題まとめ(2)
2007.11.10 Saturday 03:22
くっくり
宮城能彦氏はもっと大きなバックグラウンドの問題として、次のような話をしています。
「沖縄戦において『本土』の盾となり犠牲になった沖縄は、戦後それが報われるどころか、平和を謳歌する日本の矛盾を抱えさせられ続けている。そして、政府の、金だけで解決させようとする態度や『本土』住民の沖縄問題への関心の低さに苛立ちを募らせている。(中略)教科書問題の抗議集会に多くの人が集まったのは、『集団自決』の問題だけではなく、62年間の鬱積のはけ口を求めていたからなのだろう。しかし、と敢えて言いたい。その鬱積した不満はどのようにすれば解決できるのか。今の沖縄県民が何かを不満だとしていることは『本土』に伝わるのかもしれないが、では『何をどうしてほしいのか』ということが伝わらない。実はそれは『何をどうしたいのか』ということが沖縄人自身もわかっていないからである。教科書の書き換えをやめさせればそれでいいのか?決してそうではないはずである。あくまでも『大和』と対立していく観念的な『反復帰論』をいくら展開したところで何も生み出しはしない。沖縄人は主体的な選択として日本復帰を実現させた以上、いかにこの国をよくしていくか、そのビジョンを具体的に考え主張していくべきだろう」
こういったテーマでブログを書くと、必ずと言っていいほど、ヒステリックに沖縄県民を罵る人が現れます。が、沖縄県民全体が反日思想の持ち主でもありませんし(本土にもそういう思想の人は多数いますよね)、第一、彼らを罵るだけでは問題は何も解決しません。
今回の集団自決教科書検定問題で、沖縄に興味を持ったという方も多いと思います。良い機会ですからこの問題だけではなく、沖縄のたどって来た歴史も含め沖縄全体について深く考えてみられてはいかがでしょう。
(了)
※参考文献(敬称略)
・「正論」2007年6月号
【今こそ沖縄戦の真実を「教壇」で語ろう】服部剛(横浜市立中学校教諭)
・「正論」2007年12月号
【沖縄戦集団自決 感情で歴史を枉(ま)げてはならない】藤岡信勝(拓殖大学教授)
・「わしズム」Vol.24 2007年秋号
【天籟(てんらい)】小林よしのり(漫画家)
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