沖縄戦集団自決問題まとめ(2)

2007.11.10 Saturday 03:22
くっくり



 ところが、この報道が沖縄に伝わると、「民主教育を進める沖縄県民会議」などが激烈な抗議運動を繰り広げ、9月には沖縄県議会が臨時議会を開催して「教科書検定に関する意見書」を全会一致で採択したのです。今回と同様のことが起こっていたのです。

 文部省は中国と韓国の外圧と沖縄からの強硬な批判に屈する形で新検定方針を定めました。皆さんよくご存知の「近隣諸国条項」です。この時、沖縄戦の記述については、原因や背景等が正確に表現されていれば検定意見を付さないことにしたのです。いわば「近隣諸国条項」の国内版です。

 これにより、1984年(昭和59年)度以降の中高教科書から一斉に「県民殺害」や「集団自決強要」の記述が始まったのです。


◆将来に禍根を残す

 11月1日に複数の教科書会社が日本軍の強制性を復活させる内容の訂正申請を行いました(上記記事参照)。これを受け渡海紀三朗文部科学相は教科書検定審議会に再審議を要請しました。

 訂正申請は教科書検定規則13条で認められているものの、誤記・誤植などに限られ、検定意見にかかわる訂正は許されていません。
 今回、このようなことが認められれば、検定制度を根底から否定することにもなりかねませんし、さらに言えば、沖縄だけでなく、中国や韓国などからの際限のない検定後再修正要求にも応じざるを得ない政治状況が生まれる可能性があります。

 実際、韓国の一部メディアはすでにこのような主張をしています。

<取材日記>教科書問題 日本の二重基準(中央日報10/4)
(前略)日本政府が2005年の教科書波紋当時に‘盾’とした検定制度はその間、一行も変わっていない。 にもかかわらず日本政府が今回の沖縄の件では自ら‘不可能’と主張してきた政治介入に動くという自己矛盾に陥った。

沖縄の‘票’が重要なのは理解できる。 しかし日本政府は、韓国に対しても‘日本固有の検定制度’云々という軽薄な言い訳が通用しなくなることも悟らなければならない。 教科書検定制度関連の英語・中国語版説明を読んだ全世界のネチズンに対しても同じことだ。

 「集団自決」で亡くなられた方々は本当にお気の毒だと思います。私たちは彼らのことを決して忘れてはいけないし、ご冥福を祈るとともに、二度とこのような悲惨な被害を出さないよう、心しなければなりません。

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