2006.05.08 Monday 00:22
くっくり
旧日本軍が中国に化学兵器を遺棄したとされる問題で、その処理が本格化していない。事業主体をどうするかで中国側と合意できないためだが、日本側には事業費が巨額に上ることを中心とした中国側への不満もある。化学砲弾の約九割が埋設される中国・吉林省ハルバ嶺の現場を初めて取材した。(田中靖人)
≪400億円超の成果?≫
ハルバ嶺は中国・北朝鮮国境から西、約二百キロにある。取材は四月三十日、超党派の国会議員団「日中新世紀会」(遠藤乙彦会長)の視察に同行する形で行った。
中国延辺朝鮮族自治区の中心地、延吉市から車で三時間、現場に向かう十数キロのアクセス道路を進むと、湿地の先に小さな丘がある。周囲には一般者の侵入を防ぐフェンスが設置され、入り口には兵が監視。中はシラカバなどで覆われていた。
やがて土がむき出しになった二カ所の埋設現場に着いた。それぞれ二十五メートルプールほどの広さで深さは十メートルくらいという。マスタードガスなどが入った75ミリ砲弾や90ミリ迫撃砲弾などが埋められ総数は推定三十三万発。中国側が一九五一−五八年、周辺地域から集めて埋めた。
埋設場所から車で数分の場所に、予備調査で発掘・回収した砲弾約千四百発の仮保管庫があるが、このほかの施設はプレハブの見張り所と二カ所の気象観測所のみ。日本は平成十一年度から、調査やアクセス道路建設を含めて事業に四百億円超を投じているが、視察した議員の一人は「本当にそれほどの予算がかかったのか」と不審がった。
≪現地で口論≫
事業計画では(1)発掘(2)回収(3)保管(4)爆破燃焼処理(5)中央管理−の五施設を別々に建設する予定だが、伐採や造成などの工事は手付かずだ。建設費用は発掘・回収施設だけで約九百七十億円。これ以外の施設や処理過程で生じたヒ素の最終処分場建設費などの費用総額は未確定で、国会では一兆円規模とも指摘される。
中国にも事情がある。現地視察の途中、ハルバ嶺にある林百七十ヘクタールを伐採するため地元補償が必要だという説明に対し、日本の議員は「伐採面積が広すぎる」と反論。同行した内閣府の高松明遺棄化学兵器処理担当室長も「具体的な数字は交渉中だ」と費用が一方的に膨らむことに異論を唱えた。これに対し、同行した中国側の実務責任者、劉毅仁外務省遺棄化学武器問題弁公室主任(室長)が日本語で声を荒らげた。
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