日朝作業部会まとめと拉致問題停滞の内的要因

2007.09.08 Saturday 01:39
くっくり



 が、この状態が長く続けば、中西教授が懸念しているように、「日本人の意識からもはるか遠くに消えてしまう」ことにもなりかねません。
 拉致問題の解決を願う私たち国民は、いったいどうすればいいのでしょうか?


 再び「諸君!」10月号【安倍総理は開き直って「拉致解決」に邁進する】、荒木和博教授と中川昭一議員の対談より、今度は中川さんの発言をいくつか箇条書きにしてみます。

●「対話と圧力」といっても、もっぱら重視されるのは対話のほうで、圧力は言葉だけにすぎないことを敵に見透かされている状況ではないでしょうか。拉致被害者を返さないのであれば、日本も国際社会も強硬手段を取るということを、はっきり北朝鮮に示さなければ進展はない。

●いまのような膠着状態が続けば、被害者を「奪還」するという選択肢も視野に入れなければなりません。それほど拉致は緊急性が高く、重い問題です。最近、「拉致問題にばかり関わっていては前に進まない。核問題における日朝交渉にプラスにならない」と私に対して、面と向かって言う国会議員がいますが、私の中で北朝鮮の拉致と核の問題は、同じ重さを持っています。唯一違うのは、拉致問題は過去から現在まで「継続中の主権侵害問題」であるということ、先ほど荒木さんもおっしゃったように、すでに何百人もの人たちが拉致され、今後もさらに被害者が出る可能性が否定できない国家犯罪だということです。それに対して、核問題やミサイル問題というのは、将来の危険のために対処しなければならないというものの、現在はまだ「起こってはいない問題」です。その点が決定的に違うことを押さえておくべきだと思います。

●マスコミにもお願いしたい。一部マスコミは「拉致はけしからん」と言いながら、一方では「話せばわかる。対話をしよう」と矛盾した主張を平気で展開する。話してすむくらいなら、とっくに解決してますよ。そういう論調がクオリティ・ペーパーと呼ばれる新聞にあらわれるのを見て、北朝鮮はタカをくくっているのです。どうせ日本は本気でこぶしを振り上げたりできない、と。

●六者協議でも、日本があまり拉致にこだわりつづけると、アメリカや中国、韓国の宥和的な流れから取り残される、つまり「バスに乗り遅れちゃうよ」という議論があるけれども、私はちっとも構わない、場合によってはそんなバスになんか乗らなくてもいいと思っています。拉致被害者を取り戻すという日本の主たる目的ははっきりしているんですから、アメリカや中国につき合えない時はつき合えないと、はっきり伝えればいい。

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