2007.08.11 Saturday 00:04
くっくり
●台湾には、日本に親しみを感じてくれる人が多いと聞きますが?
勤勉で誠実な日本人の精神が好きだと思う台湾人が多いのではないでしょうか。確かに統治時代には威張っていた日本人も多かったが、台湾人の側に立ってくれた人も多くいました。戦後になって日本の統治時代を懐かしみ、「リップンチェンシン(日本精神)」という言葉ができたくらいなんです。
台湾でも、自分たちの優れたところに気づき始めています。昨年、台湾の歴史上初めて台湾の歴史教科書ができ、台湾史は高校1年生の必修科目になりました。代表処でも女性職員や職員の妻らで読書会を開いています。日本の統治時代には日本の歴史を学び、国民党政権下では中国の歴史を勉強させられたので、こんなに立派な人がいたんだと感激したり、虐げられていた人たちに心が締め付けられたり。自分たちの歴史を知らなかったということを、強く感じています。
●台湾の児童文学にも変化は出てきましたか?
ええ、台湾の土地から生まれた、いい作品が出てきたと感じています。2002年、政府が設けた文学賞の児童文学部門の選考委員になったのですが、そのとき最終選考に残った作品を見てそう思いました。
優勝した「梅花鹿巴躍(バヤウ)」という作品は、絶滅に瀕(ひん)している台湾固有のシカ、梅花鹿の物語です。梅花鹿は狩人に追いつめられると、家族を守るためいつも誰か一頭が群から離れて殺されるということを繰り返してきた。若い雄鹿「巴躍」はこんな悲しいことを止めたいと思って体の30倍もある谷を飛び越える練習を必死にし、ついに狩人と猟犬をがけ下に落とすことに成功したのです。
私は、台湾人もここまで強くなったんだと思いました。長い間、強い者から押さえつけられ、台湾人の間には仕方ないというあきらめの考えがはびこっていた。しかしこの作者は、不合理には頭を使い、努力して立ち向かうことを子供たちに伝えようとしています。
台湾は苦しい歴史を体験し失われていったもの多いのですが、多くの悲しみを乗り越えて発展してきました。自然の恵みを受けて、台湾人は未来を見るパイオニア精神を持っていると思うのです。
[7] << [9] >>
comments (30)
trackbacks (1)
<< 「アンカー」南北首脳会談開催へ&ARF日本外交大失態
全閣僚8・15靖国参拝見送り >>
[0] [top]