追悼 阿久悠さん

2007.08.04 Saturday 01:15
くっくり



 静寂。遅れてどよめき。地味に地味に。勝者に手渡されるささやかな賞金と、貧しい賞品。誰もこのボクサーたちの過去も現在も考えないし、ましてや、家族のことなど思わない。そこだけの時間、そこだけの世界、そして何百人かに一人がそこをぬけ出して、誰もが知る場所に出て行く。そういうことが好きだった。

 「ボクシングに光を当ててあげたい。しかし、当て過ぎるとボクシングでなくなる」

平成十八年九月八日 雨

 安倍晋三「美しい日本」、麻生太郎「日本の底力」、谷垣禎一「絆」

 どなたでも、日本をよろしく。そして、日本を売らないように。

平成十八年十月六日 豪雨

 国会で――正確にいうと衆院予算委員会で、田中真紀子議員が質問に立ち、安倍晋三新首相と対決した。中継は見ていなかったが、夕方のニュースで各局が、わざわざ愚にもつかない部分をピックアップして、バラエティを構成していた。

 この有名な元外相は、自らの存在の軽さを自らで証明するように、場を弁(わきま)えない発言をする。才はあるだろうにこれほど空気の読めない人も珍しい。よほどのハコイリで、世間の声が耳に入っていないのだろうか。そうだろうな。失笑のざわめきが立ち籠める中で、大得意で胸を張る。

 五年前は面白かった。一瞬だが笑ったこともあるし、感心したこともある。しかし、今は違う。国民は、笑うべきものと、決して笑いを持ち出してはならないもの、場と空気が存在することを、しっかりと学習したのだ。彼女に大役を与えた民主党は、「さあ、笑わせておいで。この世は笑いを待っている」とでも言って送り出したのであろうか。

 揶揄はみっともない。自分の不都合を上げやすい低い棚と、小さな小さな鬼の首を取った騒ぎはタブーだ。

 「小さな子どもが玄関先でパパの靴をいたずらで履いて、道路に出て来た印象。右の方へ右の方へと寄って歩いて行きそうで、危なっかしいなという印象を持っている人もいる」と、新首相をからかったそうだが、じゃあ、自らは左なのか中なのか、それをはっきりさせてから言うべきだろう。

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