これでいいのか皇室報道

2007.06.09 Saturday 02:39
くっくり



 ということは、今のままでは皇室の方々の尊厳・名誉を守る手だては、制度上、存在しないに等しい。

 もちろん、宮内庁がこれまで一定の対応をとってきたのは事実だ。例えば昨年、『週刊朝日』がオーストラリア人ジャーナリスト、ベン・ヒルズ氏の著書『プリンセス・マサコ』の英語版を紹介する形をとった「雅子さまと皇太子殿下が考えていた皇籍離脱の『真相』」なる記事を載せた時(11月17日号)、早速、東宮職が文書で抗議している。検証抜きで怪しげな著作を翻訳してセンセーショナルに報道することは「無責任」であり、皇籍離脱云々の記事は「全く事実無根」であるばかりか、英語版の原著にもそうした言及はない、というのだ。正当な指摘である。だが『朝日』側の反応はどうだったか。「見出し等で読者に誤解を与えかねない表現もあった」(12月22日号)とのごく小さな記事を申し訳程度に載せて終わりだ。

 『朝日』の記事はお粗末というより、極めて悪質だった。「検証」以前に、そもそも皇室典範は皇太子(および皇太孫)の皇籍離脱を否認している。そのことを誰よりもよくご存知なのは、もちろん皇太子殿下ご本人だ。だから記事にあった「皇籍離脱まで考えていた」というのは、記者の底抜けの無知を暴露するものでなければ、悪意ある皇室攻撃以外の何ものでもない。そのような記事に対してさえ、現状では実効性のある対応ができないのである。

image[070609-2.jpg] さらに同じく昨年、『週刊金曜日』(発行人・佐高信氏)主催の教育基本法や憲法の改正などに反対する集会(11月19日、東京・日比谷公会堂)の中の寸劇で、天皇陛下のご病気を揶揄し、猿のぬいぐるみを悠仁親王に見立ててぞんざいに扱うなどの心ないパフォーマンスが演じられた(『週刊新潮』12月7日号)。

 これにはさすがに多くの批判が集中した。そのため『金曜日』も、「反論権のない皇族の方々を対象にすることは不適切」「人権およびプライバシー上……行き過ぎや不適切な言動があった」と「率直に反省しおわびするとともに、今後……十分に留意」する旨、表明せざるを得なくなった。だが批判がもっと穏やかだったらどうだったか。

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