2007.06.04 Monday 16:29
くっくり
北朝鮮経済の逼迫(ひっぱく)にあわせ、脱北者は近年、急増している。韓国当局によれば、経済危機が深刻化した90年代後半から増え始め、韓国入りした脱北者は昨年だけで2000人以上、累計では1万人を超えたという。
多くは、中朝国境を越えて朝鮮族が多い中国東北部に身を隠し、支援団体の協力で最終目的地を定めるケースとされる。これに対して中国は、北朝鮮への配慮や自国の社会不安要因となることを恐れ、国境管理や密入国者の摘発を強めている。脱北ルートは今後ますます多様化しそうである。
海事関係者によれば、今回のように全長7メートル程度の小型船で日本海を渡る脱北は「無謀な行為」だとし、日本への漂着は過去に1例あるのみだ。北ではエンジン付き船舶の調達は極めて困難な状況から、同種ケースの頻発は考えにくいとする見方もある。
しかし、国民の不満が危険水域まで高まっている北朝鮮では、金正日体制の崩壊も絵空事ではない。その場合には、北からの大量難民の発生が現実のものとなりうる。5年前の瀋陽日本総領事館への脱北者駆け込みで、わが国の難民対応の無策ぶりが厳しく批判されたのは記憶に新しい。
昨年6月には、日本でも北朝鮮人権法が成立し、脱北者の保護については、政府として「対策を講じるよう努める」と定められた。だが、その定義はあいまいなままにされ、ケース・バイ・ケースの対応にまかされているのが実情だ。早急に問題の整理をしておくべきである。
水際の監視にも課題を残した。小型船は事前捕捉が難しいとはいえ、やすやすと接近を許したのは問題だ。工作船だったら、それでは済むまい。沿岸警備態勢の再検討も迫られよう。
長さ7.3メートル、幅はわずか1.8メートル。屋根もない小さな木造船で、家族とみられる4人は海を越えてきた。
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