大高未貴さんイスラエル・パレスチナを語る

2007.05.06 Sunday 02:00
くっくり



野口 エルサレムで自爆テロ直後の現場に駆けつけたことがあります。ちょうど、路上に流れた血をデッキブラシで洗い流しているところで、靴は赤い水でびしょぬれ。食事も大通りからさらに2本道を入った傭兵(ようへい)を配置している飲食店の一番奥まったところでとるのが常でした。自爆テロは多くの場合、入り口付近で傭兵に制止され、そこで自爆するケースが多いからです。ベツレヘム郊外の村では、IDFのゲリラ掃討作戦の真っただなかに遭遇。40分も戦車のすぐ近くで伏せたまま、銃声がこだまする“戦場”を体験しました。

大高 エルサレムのヘブライ大学に短期留学しましたが、寮の学生が当番を決め、武装してキャンパス内を徹夜でパトロールしていました。バスにパレスチナ人が乗ってきたり、赤信号でバスの隣にパレスチナ人の車が横付けしたりすると、つい疑ってしまう自分が悲しくなりました。

野口 憎悪の連鎖が心配ですね。

大高 それをあおっているのは、イランのほか、アルカーイダなどテロ組織。エジプト領シナイ半島と半島に接するガザの間の多くの秘密トンネルが掘られ、少なくとも現金50億ドル、1万5000丁の銃、対戦車ミサイルなどが、ガザに密輸された。シナイ半島は今や「テロリストの巣窟(そうくつ)」と化しています。

野口 イスラエル側にも懸念材料があります。

大高 イスラエル国民の間ではIDF撤退後、レバノン国境緩衝地帯でヒズボラ暗躍を放置したUNIFIL(国連レバノン暫定軍)への非難も高まっています。「自分の国は自分で守る」と国民が痛感していることは理解するが、国連を無視すれば希望のともしびは完全に消えます。

野口 第二次大戦中、ナチス・ドイツによる民族浄化の名の下、ゲットー(居住区)にほうり込まれた彼らは、パレスチナ人の悲しみを知り尽くしているはずですが。

大高 私もその点がいまだに理解できません。かつてガザを南北に分け、パレスチナ人の自由通行を遮断したことがありました。40度超の暑さの中、いつ開くかわからない検問所で、10分もあれば往復できる場所に行くのに7時間も待たされた経験があります。出産で病院に向かう妊婦や、腐りやすい青果物を扱う小商人が不満を爆発させ暴動寸前になったとき、IDF兵は腰だめで水平に銃撃しました。その後、赤新月社(赤十字)の救急車に、おなかに爆弾を潜ませ妊婦を装った女性を乗せた新手のテロが起こりましたが。

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