「昭和の日」の朝日社説

2007.04.30 Monday 01:49
くっくり


 
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 常日頃「小朝日」と揶揄される毎日新聞ですが、4/29付「余録」は良かったですね。

余録:戦争、敗戦、勝利、占領、占領地行政…
 戦争、敗戦、勝利、占領、占領地行政、テロ、クーデター、革命騒動、さらに極端な貧困からある程度の豊かさまで……ノンフィクション作家の保阪正康さんは、昭和前期は「人類史の見本市」だという(「昭和史入門」文春新書)▲その後期の目もくらむような経済成長と社会の巨大な変化まで含めれば、今さらながら昭和は人類史のほとんどあらゆる経験が凝縮された時代に思える。その何に注目し、そこから何を学ぶかは人の世界観を大きく左右するが、それは私たちマスコミ、ジャーナリズムにもいえる▲たとえば昭和史の転換点をなす太平洋戦争開戦の日である。「ああこれでいい、これで大丈夫だ、もう決まったのだ」。その日、こう書き残したのは作家の伊藤整だった。「来るものなら来いという気持ちだ。自分の実力を見せるという気持ちだ」とは武者小路実篤の手記の一節だ▲かつてプロレタリア文学の評論家だった青野季吉は「米英軍に対する一戦布告の御勅語を拝す。無限の感動に打たれるのみ」と日記に書いている。このように書き連ねたのは、何も歴史の高みから昭和の文人たちの賢愚をあげつらうためではない▲当時の記録が示すのは、第一級の文化人すら戦後は誰もが知った米国との圧倒的な国力の差を分かっていなかったことだ。つまりジャーナリズムがそんな基本的な世界の現実すら伝えていなかったのである。それを言論統制のせいにはできない。むしろジャーナリズムの機能不全が戦争や言論統制を招いたのではなかったか▲これも後知恵で先輩新聞人をおとしめようというのではない。私たちは本当に世界の現実を正しく、十分に伝えているか。どこかでまた夜郎自大に陥ってはいないか。「昭和の日」の自戒である。
毎日新聞 2007年4月29日 東京朝刊

【夜郎自大】
 (「夜郎」は昔、中国の西南部に居た野蛮人の意。漢の強大さを知らなかったことから)自分の力量を知らないで、狭い仲間うちでいばる者。
 ……三省堂・新明解国語辞典より……

 以上を踏まえた上で、朝日の2本めの社説をどうぞ。

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