阪神淡路大震災から2年半後にこんな本が出版されていた

2020.01.16 Thursday 19:22
くっくり


 ただ、みな前後の人の顔を執念で覚えており、何度ブレイクしても並び直すときは順番が正確に再現された。


<国家公務員集団>

 救助も撤去も復興も自衛隊の大規模な、それでいて黙々とした活動ぬきには考えられなかった。
 崩落した住吉川の土堤を一晩で修復してしまう秀吉の一夜城的な大活躍など自衛隊が神戸人を驚かせ、感動させた例は多い。
 何よりその体力は驚異的で、命令さえ出れば二晩連続の徹夜作業など平然と鼻歌まじりにやっていた。
 そのがっしりとした体格もすばらしく、神戸人をして、
 「さすがは国家公務員や。あれに比べたら警察官はやっぱり地方公務員やな」
 と言わしめた。


<やらせなし>

 震災当初、テレビの現地レポートは当然下調べなどする余裕もなくぶっつけ本番で、
 「この倒壊家屋は……アッ犬がいます、犬だけ助かったみたいですね……」
 と中継しているさなか、横から、
 「ワシ生きとるわい」
 と家人につっこまれていた。


<後追い取材>

 他局の番組で「おばあさんが救出され、家族が泣いて喜んだシーン」を見た某局スタッフのチーム、
 「うちでもこの人、取り上げよう」
 と、「東灘区B町」という地名だけをたよりに探しに来た。
 通りがかりのB町住民に、
 「ほら、あのテレビで映ってたおばあちゃん、ご存じありません?」
 と聞いて、
 「うち、今テレビ映りまへんねん」
 と返されていた。

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 今回は紹介しませんでしたが、避難所やボランティアにまつわる「ネタ」も読み応えがあります。
 というか、この本にも書かれてあるような避難所やボランティアの混乱ぶりを見て政府も自治体も民間も大いに学び、東日本大震災など後に発生した大災害に活かすことにつながってきたわけですよね。

 もう絶版になっていますが(古書なら入手可能)、Kindle版が出ていることに最近気づきました。




 【忘れるくらいなら、笑ってほしい】という副題が付いています。
 初めて出版された1997年や、文庫化された2001年の副題は【次の災害を乗り越えるための知恵】でしたから、全く違う文言に変わっているのが分かります。

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