阪神淡路大震災から2年半後にこんな本が出版されていた
2020.01.16 Thursday 19:22
くっくり
ストレス発散したり、不安を紛らわせたいという気持ちも同時にあったのかもしれません。
さて、ここからが本題。
年末に書棚を整理していて、見つけた本。
image[200117daisinsaiMeigen.JPG]
【大震災名言録 ─ 次の災害を乗り越えるための知恵】
藤尾潔さんという方の著書です。
神戸市垂水区生まれ、東灘区育ち。
内容は、被災者の方々の「ネタ」の聞き書き。
悲喜こもごもをユーモアたっぷりに紹介しています。
私が持っているのは光文社から出た文庫版で2001年1月初版発行ですが、単行本として最初に発行されたのは1997年8月だそうです。
震災からわずか2年半でこのような本が世に出たことに、当時驚いた人も多かったと思います。
不謹慎だと怒った人もいたかもしれません。
私自身はそういう声を見聞きしたことはなかったですが。
実際当初は全く売れなかったそうですが、朝日新聞などマスコミで取り上げられたり、作家の田辺聖子先生が推薦文を書いてくれたりで、徐々に売れていったのだとか。
全国的にはともかく、関西ではかなり売れたのではないかと思います。
短いもので数行、長くても3ページ程度の「ネタ」が多数掲載されています。
少し紹介します。
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<人生のダイヤ>
阪急電鉄神戸線をボーダーに、そこより北の地域に住んでいた人は、「えらい激しい地震やった」ことはわかっていても、べつに周りの家も大丈夫なうえ、テレビも映らないため、「大震災」であることがわからず、七時ごろに出勤しようと家を出た人も少なくなかった。
K君もその一人で、何の変哲もない紺色の背広に髪を整え、茶色の革のサラリーマンバッグ一つを持って阪急岡本駅に行き、駅員に、
「ダイヤそうとう遅れますよね?」
と聞いた。
するとその駅員にすかさず、
「きみ、ダイヤどころやない。みんな人生のダイヤ狂ったんや」
と返されたという。
<最も安全な部屋>
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