2007.01.30 Tuesday 15:53
くっくり
NHKは国会議員らの意図を忖度(そんたく)し、当たり障りのないように番組を改変した。
旧日本軍の慰安婦をめぐるNHK教育テレビの番組について、東京高裁はこう指摘した。そのうえで、判決はNHK側に対し、取材に協力した市民団体へ慰謝料200万円を支払うよう命じた。
NHKは放送の直前に番組を大幅に変えたことを認めながらも、「あくまで自主的に編集した」と主張していた。その主張は通らなかった。
政治家の意向をおしはかって番組を変えるというのでは、自立したジャーナリズムとはとても言えない。NHKは上告したが、高裁の判断は重い。
裁判になっていたのは6年前に放送された番組で、慰安婦問題を裁く市民団体の「民衆法廷」を取り上げたものだ。ところが、兵士の証言や判決の説明が削られた。このため、市民団体側は事前の説明と異なる番組になったとして訴えた。
一審の東京地裁は被告のうち、孫請けの制作会社の責任だけを認めた。
控訴審に入って、NHKと政治家との関係が大きな争点になった。NHK幹部が放送前に自民党衆院議員らと会い、その後、番組が改変された。そうNHKの担当デスクが内部告発をしたからだ。
東京高裁は次のように認定した。
NHK幹部はこの番組がNHK予算案の審議に影響を与えないようにしたいと考え、国会議員らに会った。その際、「番組作りは公正・中立に」と言われた。NHK幹部はその発言を必要以上に重く受け止め、番組に手を加えた。
NHK幹部は番組への強い批判を感じ取ったのだろう。NHKは予算案の承認権を国会に握られている。それが番組改変の動機になったと思われる。
自立した編集は報道機関の生命線だ。政治家への抵抗力を持たなければ、公共放送もその使命を果たせない。
この問題は朝日新聞が05年1月に取り上げ、政治家の発言が圧力となって番組が変わった、と報じた。今回の判決は政治家の介入までは認めるに至らなかったが、NHKの政治的な配慮を厳しく批判したものだ。
朝日新聞の報道に対しては、政治家とNHKから事実関係について反論があった。これを受けて検証を重ねた朝日新聞は一昨年秋、記事の根幹部分は変わらないとしたうえで、不確実な情報が含まれてしまったことを認め、社長が「深く反省する」と表明していた。
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