【過去】ドイツ移民政策の明暗に学ぼう!中国人大量割り込みが日常風景になる前に

2018.11.05 Monday 19:28
くっくり



 一方、外国人の流入は、少子化解消にも思ったほどの効果はない。子供をたくさん産んでくれるのは、新しく来たイスラム系の人々だけで、二世、三世になると、出生率は急速に下がる。こうなると、当然、外国人の流入を制限しろという声があちこちから出てくる。

 しかし、問題はその先にある。つまり、外国人を締め出して、果たしてその労働力を自国民で賄えるかという問題だ。たとえば工事現場。いくら技術が発達しようが、人力での作業は必ず残る。暑い夏、誰が炎天下で肉体労働をするのか? 多くのドイツ人が、今いる外国人労働者に代わって、そのハードな労働を引き受けるとは思えない。

 老人介護もしかり。外国人に大幅に託している現状を、ドイツ人の手に戻すことが可能なのか? 介護士が不足したとき、寝たきりの親を自宅で看るドイツ人がどれだけいるのか。大幅な賃上げでドイツ人介護士を確保するのは、波及効果を考えるとかなり非現実的だ。その他、ゴミの収集も道路の清掃にも、すでにドイツ人はほとんどいない。

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少子化対策にはならない
 
 移民には2種類ある。“疎まれない移民”と“疎まれる移民”だ。

 その理由は、文化や価値観の違いであり、また、犯罪の問題でもある。しかし、ドイツ人が疎んでいる外国人のこなす多くの仕事こそ、実はドイツ人が引き受けたくない仕事なのだ。つまり、外国人がいなくなると困るのは、どう考えてもドイツ人の方だ。

 振り返って日本の場合はどうか? 一度外国人労働者を誘致すると、彼らの多くはおそらく帰らない。イスラム圏からの労働者は少ないだろうから、少子化の解消にもつながらない。それどころか反対に、外国人が将来、自分たちの親を呼び寄せて、日本の高齢化に拍車をかける可能性は高い。帰らない労働者はいずれ結婚し、家庭を持つだろう。子供が生まれれば、公立の学校は、その子供たちを受け入れなければならない。住み着いた人間を国外に出すのはとても難しい。大量にいれば不可能だ。

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