【過去】ドイツ移民政策の明暗に学ぼう!中国人大量割り込みが日常風景になる前に

2018.11.05 Monday 19:28
くっくり



 現在のドイツには、難民として入ってきた外国人も少なくない。国連の推定によれば、95年、ユーゴ内戦を逃れて国外に出た難民は約74万人で、その半数をドイツが受け入れた。国連の要請による難民受け入れは、その後もコンスタントに続き、最近は毎年6万人程度。国連を通じて入国した難民は、難民資格が確定しているので、滞在、および保護される権利を有する。去年はシリア内戦に対応し、プラス1万人の「シリア特別枠」も設けられた。

 一方、ポーランド系、ロシア系、カザフスタン系の外国人は、第二次世界大戦後、ソ連と東欧の旧ドイツ領に残留していたドイツ系の住民とその子孫が多い。彼らが、90年代の共産圏の解体で、大挙してドイツに戻ってきたのである。戦後、特に旧ソ連は、厳しい同化政策を敷き、ドイツ系住民に母国語の使用や、ドイツ文化の継承を禁じた。そのため、大半の帰還者は、念願の祖国に戻ってきたものの、外国人と同じ問題を抱え込むことになった。

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「汚い仕事」は外国人ばかり

 現在のドイツには多種多様な外国人が共存している。12年、ドイツに移住してきた人は、出国した人より40万人多かった。最大はEUの加盟国からの流入で、全体の3分の2。ドイツの外国人は、毎年、確実に増えているのである。

 外国人の多い社会は、それなりの利点と欠点がある。利点は、もちろん労働力の確保だ。EUからの流入は、多い順にポーランド、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリーだが、たとえば、病院や老人ホームの介護部門は、この4カ国の女性がいなければ崩壊するといわれるほど人手不足が進んでいる。建設業も農業も清掃業もそうだ。きつい仕事や汚い仕事は、40年来、外国人の手に拠っているといえる。

 一方、最近の傾向としては、熟練労働者や高度な技術者も極度に不足している。ドイツの団塊の世代(出生数は55年から伸び始め、64年に最高に達する)の退職は徐々に始まっており、それに少子化が重なるため、このままいくと、10年後には年間の退職者数が、新しく職に就く人の2倍になると予想されている。そうなれば、今の産業の水準を保つことは到底できない。ちなみに02年の出生数は64年の半分である。

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