「9条世界化」目指した朝日の捏造・隠蔽(1999年)

2018.08.10 Friday 00:22
くっくり


憲法9条、各国は見習え
ハーグ平和市民会議 「10原則」冒頭に

【ハーグ(オランダ)十五日=山本敦子、深津弘、斎賀孝治】

 非政府組織(NGO)の呼びかけで、百カ国以上の約一万人が参加して開かれていた「ハーグ平和市民会議」は最終日の十五日、「公正な国際秩序のための基本十原則」を行動目標として設け、第一項に「日本の憲法九条を見習い、各国議会は自国政府に戦争をさせないための決議をすべきだ」との文言を盛り込んだ。日本国憲法の理念が世界の平和運動の共通の旗印として初めて前面に掲げられた。

 会議はこの基本十原則を含む「二十一世紀の平和と正義のための課題」(ハーグ・アジェンダ)を採択、アナン国連事務総長に手渡し、四日間の日程を終えた。アジェンダは十八日からの政府間会議と十一月の国連総会に提出される。

(以下略、一九九九年五月十六日 朝日新聞朝刊)

 この記事が出た当初は、NATOがコソボ紛争を止めるために「人道介入」として空爆を行っていた最中でした。

 平和団体主催の会議とはいえ、戦争を放棄し、戦力・交戦権を否認した「絶対平和主義」の9条を採択文書に盛り込むだろうか?
 と、木佐さんは疑問に感じました。

 そこで木佐さんは、ハーグ平和市民会議の最高責任者に問い合わせました。
 すると、回答はこうだったそうです。

 「『基本十原則』は『参加者の気持ちをまとめた非公式の要約』であり、採択文書ではない」

 そして、実際の採択文書には、「人道介入のための国連常備軍を創設する」という、9条とは相容れない内容が記載されていたことが分かったのです。

 木佐さんが経緯を調べたところ、朝日新聞をはじめとする護憲派は、「9条の世界化」を目指してハーグに約400人もの大代表団を送り込んだものの、主張が通らず、このような報道をしたようだと。

 ただ、木佐さんとしては、朝日が正式な採択文書を確認せず誤報をした可能性もほんのわずかながらあり、「捏造」とは言い切れない面もあると、その時は考えたそうです。

 木佐さんのこのスクープは、週刊文春で記事にしてもらえたそうです。

 その後、木佐さんは関係した朝日新聞記者と代表団幹部の憲法学者ら数人に電話をかけたものの、全員ノーコメント。
 ある学者にいたっては「ノーコメントとも書くな」。

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