ハンガリー出身女性が見た日本…川口ユディさん「正論」18年3月号

2018.07.14 Saturday 00:47
くっくり


 ずっと日本に住みたいと思う。

〈〈〈中略。さまざまな学校で英語の先生をした話〉〉〉

 それと女子校でも教えましたね。
 いろんな先生と付き合って勉強になったけど、卒業式の時でしたか、国歌「君が代」を斉唱するとき、椅子に座っている先生がいたので、私、怒って「何やっているんですか!」と、みんなの前で言っちゃった。

(井上:そりゃすごいですね)

 変な先生のために生徒が悩むじゃないですか。
 その先生に、この仕事、好きじゃない、この国が好きじゃないなら辞めればいい、とみんなの前で言ったんです。
 大騒ぎになりましたけど(笑)。
 外国人だから言えるよね、みたいな雰囲気に取られていましたが、でもアメリカではあり得ない。
 私、アメリカの大学を卒業して、一番身にしみたのは Love your country ですよ。
 でも日本ではそれが足りないんですね。

〈〈〈中略。NHKでの仕事について〉〉〉

(井上:ところで、ユディさんは靖国神社を大事になさっていますが、その切っ掛けはなんだったんですか)

 1つは、日本のことが好きな彼と結婚して私も彼の国を愛していないと駄目だということ。
 日本が私の国になったんです。
 彼は靖国神社をきちんと参拝し、その理由を「今まで日本の国のために一生懸命頑張ってくださった方に、ありがたいという気持ちを持っていなければ駄目だ」といいます。
 私もそう思います。
 それが靖国神社との出会いですかね。

 でもこれっていたって普通のことです。
 亡くなったソルジャーにありがとう、とお花持っていくのは、ハンガリー人もアメリカ人も当たり前にやっているでしょう。
 靖国神社を訪れるようになってからは特攻隊の方々とも縁ができました。
 すてきなおじいちゃんたちだなと思いました。
 終戦後、周囲の日本人からはありがとうと言われることがない日々が続いたり、会社でも自分が特攻隊であることを明かさずに生きざるを得なかったりで不遇や辛酸を味わった方々は大勢いらっしゃった、と思うのです。

 でもそれって教育がおかしいと思いますよ。
 私も日本の高校の歴史教科書を見ましたが、特攻隊の記述など3行くらいで済ませている。
 それに全然正しく書かれていない。

(井上:ルバング島から帰国を果たした小野田寛郎氏(故人)とも親交がおありだったんですよね)

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