選挙なんかやってる場合です。北朝鮮危機がアメリカ国内の政治問題になる前に。

2017.09.22 Friday 01:36
くっくり


 要旨をまとめると、こうなります。

★イスラエルのテロ専門家が教えてくれた、アメリカが行動を起こすか起こさないかを見る時に、3つのモードがある。
(1)アメリカ・ファースト
 アメリカの実際の生存の危機。
 たとえば真珠湾攻撃とか9・11などの直接的な軍事的脅威。
 北朝鮮はそこまではまだ行っていない。
(2)アメリカ・グレート
 自分の同盟国を守るために軍事行動を起こす。
 シリアに巡航ミサイルを1発撃ち込んだのは、まさにこのモード。
 今回の国連演説でトランプ大統領は「アメリカと同盟国を守らざるをえない場合、北朝鮮を完全に壊滅するほか選択肢はなくなる」と言った。
 だからアメリカは今、このモードに入っているのではないか。
(3)アメリカ・アイ・ドント・ケア
 アメリカは無関心。
 クリミアのようにアメリカは本当は関与しなければならないにも関わらず、「いや、俺知らねえよ」と。
 
★アメリカは今、(3)アメリカ・アイ・ドント・ケアから(2)アメリカ・グレートに格上げして、もしかしたら軍事攻撃があるのではないかと思わせるような、今回のトランプ大統領の国連演説だった。
 但し、アメリカが本当に行動するか占う上で、一番気にすべきは、軍事だけじゃない。
 政治問題になるかならないかが、やはり重要。
 アメリカ国民自身が、議会も含めて、政治問題にするかどうかというところが、一番カギ。
 自分たちに降りかかれば、政治問題になる。

★本当にアメリカが北朝鮮を攻撃するかどうかを占う点では、真珠湾攻撃みたいなことが起きるかどうか。
 北朝鮮がアメリカに先に仕掛けるような事態が起こるかどうかがカギ。
 そこでアメリカ国内が沸き立って、まず議会が非難決議のようなものを通すなど。
 イランの場合は実はアメリカはもう何度も国内で非難決議を通している。
 ところが北朝鮮に対しては一度も非難決議が出ていない。
 アメリカにとって政治問題にまだなっていない。
 真珠湾攻撃のようなことが起きないと(起こさないと)、アメリカはきっかけがないので入っていけない。

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