なぜ対北制裁は効かないのか?オールジャパン体制が必要! 古川勝久「ザ・ボイス」

2017.06.29 Thursday 01:47
くっくり


 金正男殺害事件の時、籍だけ置いて行方をくらましたということがあったが、マレーシア以外でも、世界的に北朝鮮人がそういうふうにオペレーションしている。
 シンガポールにある北朝鮮のインテリジェンス機関の偵察総局というのがあるが、これのフロント企業と関係ある企業がシンガポールにあったりする。
 これを知らずに日本の企業が90年代からずっとビジネスをしていた。


★日本政府の問題点その2

 そもそも日本国内で外務省はインテリジェンスや法執行の機関ではない。
 だけどなぜかやっぱり国連制裁については外務省がリード。
 本当に制裁の責任を負う組織がないように見える。
 警察の公安部、法務省、経産省、内閣情報調査室にもそういう組織はあるが…。
 NSCは戦略担当で実行部隊ではない。
 制裁は、戦略とか政策の話ではなく、「やれ」という話なので。
 専門家は関係省庁の中にいるが、それが集まる所がない、横軸がない。
 定期的な会合はやっているが、それでは駄目。
 ちゃんと内閣官房に北朝鮮制裁本部を作って、オールジャパン体制を作らなければ。
 どこにどういうネットワークがあるか、中国に対してどういうアプローチをするか。
 これまでみたいに外務大臣がたとえば中国に圧力をかけるなんていう、そんなレベルの話ではない。
 中国は政治的な意思だけではなく、行政的にも意外と能力がない。
 実務レベルのインターアクション(内的相互交渉)を始めなければ。
 日本のNSCのこととかよく分からないが、私たちが公式に接触できるのは外務省だけ。
 外務省の人たちも忙しいから、専属の組織が必要。


★トランプ政権の対応は?

 あまり真剣ではない。
 主軸は中東で、問題が深化している。ますます中東に足を取られる。
 中国に丸投げ。
 北朝鮮政策について、大統領と緊密に動く特使やコーディネーターをまず任命しなければ。
 外交的な責任者がいないのに、なぜ4月に空母を派遣したりして、軍事圧力だけ高めたのか。
 圧力を高めても、それを外交的アプローチの方法ができてないのに。
 これから軍事圧力をかけても、どうせ武力攻撃しないだろうと、足下を見られることになった。

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