なぜ対北制裁は効かないのか?オールジャパン体制が必要! 古川勝久「ザ・ボイス」

2017.06.29 Thursday 01:47
くっくり


 が、各国国内の商業に関する法律、大学の自治など、いろんな問題があるので、制裁が十分に働かない壁になっている。
 安保理決議としてはかなり大幅な裁量権を各国政府に与えているが、各国の管理機関が追いつかない。
 そのギャップの中で、北朝鮮の工作員が自由に泳いでいる。
 そういう状況が各国で見受けられる。


★非難決議より大切なこと

 北朝鮮がミサイルを発射したり核実験をした時、よく非難決議とかをやって大きなニュースになるが、これは北朝鮮に対しては別に何てことはない。
 ああいうことにもう時間を費やすのはやめて、どうやって安保理決議を各国がちゃんと履行するのかに重点を。
 ほとんどの国々が、まだ法律もなければ、法律があってもそれを運用する能力がない。
 中国は最たる例だし、東南アジアも同様。
 なので日本のような国が、しっかりとした先駆的な国内法の事例を作って、それをこういう国々に教えていって、実務レベルで教育しなければ。
 これまでのような外交当局が主導して、決議を何回も出せば効くだろうという、こういうふうなことをいつまでもやってるから、先にやはり進めない。


★北朝鮮の巧みな制裁逃れ

 各国は決議に基づき、国内法を整備する義務がある。
 安保理決議に基づく北朝鮮制裁というのは、各国にとって「やってもいいかな」って話じゃなくて「やらなきゃいけない」こと。
 しかし、北朝鮮の制裁回避行為が非常に巧みになっている。
 昔は、たとえばスカッドミサイルの完成品をそのまま中東やアフリカに輸送していたが、今はやってない。
 今は、スカッドミサイルを全部解体して、スペアパーツと原材料と工作機械、これを北朝鮮人の技術者と一緒にシリアやアフリカに送り込んで、現地で組み立てている。
 すると、輸送されてる物だけを見ると、古い電気リレーや工作機械、何てことはない物ばかりなので、ほとんどの国々の貨物検査をする当局は、見ても分からない。
 ポイントは技術者を送り出しているところ。
 北朝鮮の非合法活動というのは、グローバリゼーションとよく似ていて、現地生産をしている。
 2006年までは、日本が北朝鮮にとって対外経済活動の拠点だった。
 が、日本が規制を強めたら、日本国内で北朝鮮とビジネスをしたり協力していた人たちは、より規制が弱い中国に直接投資して、向こうにフロント企業を構えたり、支店を構えたりして、結局北朝鮮と同じビジネスをやってる。

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